バイクの動力発生装置(エンジン)の仕組みや役割のまとめ

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バイクの動力発生装置(エンジン)の仕組みや役割のまとめ

バイクを走らせる動力を発生させるだけでなく、エンジンは美しいメカノイズも発生させるという魅力的な一面も持っています。静寂性が求められる昨今ではありますが、気筒レイアウトの違いによる排気サウンドはライダーの心を揺さぶるものです。音量的な意味ではなく、音質的な意味でです。大音量は世間の敵ですからね(苦笑)。どうやってエンジンが動いているかを知ることができれば、性能だけで無くメカノイズの感動も一層増しますよ!

動力発生装置について

バイクを構成する部位は大まかにジャンル分けをすることができます。そのいくつかのうち、こちらのカテゴリで紹介していく動力発生装置がバイクの核にあたります。英語ではパワーユニットと呼びます。これはものを動かす力を発生するために必要な装置で、バイクをはじめ、クルマや電車、飛行機など、あらゆる乗り物はこの装置が備わっていなければ動くことができません。

動力発生装置の基本

動力発生装置の中心となるのは原動機、つまりエンジンです。しかしエンジンだけでは動きません。ガソリンを供給する部位、空気を取入れる部位、エンジンが爆発することで生じたガスを排出する装置、さらにはエンジンを効率よく働かせるために冷却させる部位も備わり、それらがまとまって動力発生装置となります。

詳しい内容はおいおい説明していくとして、まずはエンジンはどのようにして動いているのかを軽くご説明しておきましょう。

エンジンは、熱エネルギーを運動エネルギーに変換することで動いています。エンジン内部に取り込まれたガソリンと空気を爆発させ、熱エネルギーを得ます。これを運動エネルギーへと変換します。変換させられた運動エネルギーは、別の装置へと伝えられることでものを動かす力とするのです。バイクであれば、最終的にタイヤが回る力へと変換させられるのです。

バイクのエンジンのような熱を動力に変換する装置のことを熱機関と呼ぶのですが、機関の外部で運動エネルギーを得る外燃機と、機関の内部で動力を得る内燃機の2つに分けられます。このうちバイクのエンジンは内燃機にあたります。

バイクのエンジンの特長

バイクに搭載されているエンジンも、クルマのエンジンと基本は同じと考えてしまっても差し支えはありません。どちらもエンジン内で爆発が起こり、熱エネルギーを動力エネルギーに変換し、最終的にタイヤを動かすという原理を利用している点では同じなのです。ただし、深い意味で考えれば、バイクとクルマのエンジンは違うといえてしまいます。

バイクのエンジンの特徴

バイクのエンジンはクルマのエンジンとどんなところが違うのかというと、まずエンジンのコンパクト性が求められます。比べるまでも無いほど、バイクはクルマよりエンジンを搭載するスペースが限られており、そのスペースにエンジンを収めるため、エンジンのサイズ、さらにはレイアウトも考えなくてはいけないのです。

また、エンジンのサイズがクルマより小さいため、排気量も比べたら少ないです。しかし、パワーウエイトレシオ(車両重量÷最高出力で求められる数値)を考えれば、クルマに比べてはるかに軽量なバイクには排気量の少なさはネックとなりません。

路上でクルマとバイクが一緒に走っていた場合、大きなクルマはバイクよりもパワフルに感じられてしまいがちです。ですが、例えば車両重量1500kgのクルマと150kgの小排気量バイクがあったとしましょう。この場合パワーウエイトレシオ数値で考えると、単純に考えてバイクはクルマの出力に対して10分の1で十分という計算になるのです。

エンジンの外観にこだわる必要があるというのも、バイクのエンジンならではの特徴といえるでしょう。バイクのエンジンはフルカウルバイクでもない限り、外に露出しています。エンジンは車体のデザイン性を高める大役を担ってもいるのです。

エンジンの構成

エンジンは大きく分けて、上からシリンダーヘッド、シリンダー、クランクケースの3つの部位に分けることができます。シリンダーヘッドとシリンダーを腰上、クランクケースを腰下と、エンジンを人体に例えて表現することもあります。

エンジンの排気量

構成部位のうち、シリンダー内部ではピストンが激しく上下運動を繰り返しています。このピストンが上下に動くことで熱エネルギーが動力エネルギーへと変換されているのです。そしてピストンが最も高い位置に到達した地点を上死点と呼び、最も低い位置に下がった地点を下死点と呼び、この上死点と下死点までの空間が排気量の数値となります。

主要諸元(カタログスペック)に記載されている排気量は、ピストンの移動面積ということです。排気量の円柱の計算式と同様です。具体的には「(ボア×1/2)×(ボア×1/2)}×π×ストローク×シリンダー数」となります。ボアとは、ピストンの口径、ストロークとはピストンの上下移動距離です。

ボアとストロークの数値を比べたものを、ボアストローク比と呼び、数値のバランスによって3つのタイプに分けることもできます。ボアよりストロークのほうが大きい場合は「ロングストローク型」、ボアのほうが大きい場合は「ショートストローク型」、どちらの数値も近い場合には「スクエア型」となります。

ロングストローク型は、ピストンの移動距離が長いため、エンジンの回転数は比較的ゆっくりとなり、粘りの強いトルク溢れる特徴があります。ショートストローク型は逆に回転数を速くしやすく、パワーを発揮しやすくなります。スクエア型は、ロングストロークとショートストロークの中間的特長を持っています。
人間に例えるとエンジンオイルは血液だとよくいわれます。エンジン内を循環し、様々な働きによってエンジンを助けるエンジンは人間にとって血液が重要なのと同様、エンジンにとっても非常に重要なものなのです。ですから、定期的なオイル交換はとても大切なことなのです。

エンジンの燃料室と圧縮比

ピストンが上死点の状態であっても、シリンダー内には多少の空間が残ります。この残った空間を燃焼室と呼び、形状によっていくつかの燃焼室に分けることができます。また、どれくらいの圧縮によって爆発を起こしているかを表した数値を、圧縮比と呼びます。

燃焼室の形状と圧縮比

燃焼室の形状は、主に3つのタイプに分けることができます。一つは半球型と呼び、燃焼室の面積を大きく確保でき、冷却性、爆発によって生じるエネルギーの流体力学的にも優れた形状となります。

二つ目は多球型で、流体力学的には半球型よりも不利ではあるものの、圧縮比を高めやすい性質を持っています。三つ目は、ペントルーフ型と呼ばれ、燃焼室は球体ではなく屋根のような三角形の形状をしています。バルブやプラグの配置性に優れ、圧縮比も高めやすく、現在主流の形式にもなっています。

シリンダー内に取り込まれた混合気(ガソリンと空気)をピストンによってどこまで燃焼室で圧縮するかを表すのが圧縮比で、この数値が高いほど、燃焼効率が高まり得られるパワーも大きくなります。ただし、圧縮比が高すぎると異常燃焼が引き起こされてしまう恐れがあり、エンジントラブルの原因にもなってしまいます。

圧縮比の表記は「圧縮比10」などと主要諸元等に記載されています。「圧縮比10:1」と書かれることもあります。4サイクルエンジン(現在主流のバイクに搭載されるエンジン)の場合は、圧縮比10前後が一般的な数値となります。

トルクとパワー

主要諸元をはじめ、バイクの性能を測るものとして、トルクやパワーという言葉が用いられます。これらはエンジンの性能を数値としてあらわしたもので、どちらも数値が多いほど高性能となり、またエンジンの回転数がどれほどの時に最高パワー、最高トルクが発生するかによっても、エンジンの性質を判断することができます。

トルクとパワーについて

トルクとは、軸を回転させる力を意味しており、エンジンであると、クランクシャフトと呼ばれる軸の回転力に値します。バイクを動かすための源が、このトルクとなります。

単位には「kgm」が用いられます。回転軸に対して直角に1mの横棒を取り付けて回転方向に1kgの力を加えた際のトルクは1kgmとなります。また、現在は「Nm」という単位も用いられています。「1kg-m=9.80665Nm」「1Nm=0.10197」と変換されます。

パワーは、仕事量を表しています。トルクに回転数をかけることで求められる数値で、馬力(ps)という単位が使用されています。また、現在は「kw」で数値を表示することもあります。「1kw=1.360ps」「1ps=0.7355kw」と変換されます。

そのバイクがトルク重視型か、パワー重視型かによって魅力は大きく異なってきます。トルク重視型はバイクは比較的のんびりと楽しみやすい傾向にあり、パワー重視型はハイスペックなライディングに長けた性質となります。一般的には前者は公道車両として重視すべき点としてあげられ、後者はレース向けや高性能を売りとする車両に求められます。

性能グラフ

バイクのエンジンが発生するパワーやトルクは、主要諸元などに最高数値が記載されています。しかし、最高数値に当たるまでの数値の変動は一定ではなく、エンジンによって変動の特徴は異なってきます。そしてパワーやトルクの変化を回転数ごとに記録されたものが、性能グラフ、または性能曲線と呼ばれるものです。

パワーとトルクの曲線

パワーとトルクの曲線は、1つの性能グラフにまとめられています。グラフの横軸にはエンジンの回転数が刻まれており、左側の縦軸にはパワー、右側の縦軸にはトルクの単位が刻まれています。

パワー曲線は、エンジンの回転数上昇に合わせて、等しく上昇して行きます。山の頂点が最高パワーとなり、その数値を超えると下降します。つまり、最高パワーを引き出す回転数を超えてまで回しても、それ以上のパワーを引き出せないということです。それどころか、エンジンに多大なダメージを与えてしまう恐れもあります。

トルク曲線はパワー曲線とは異なり、平坦に近い波上の曲線となっているものが多いです。カーブが緩やかであるほど、どの回転域からでも加速性に優れるという扱いやすくなっており、このような曲線を持つエンジンは低速トルク型エンジンと呼びます。

一方、出力曲線のような1つの大きな山となるトルク曲線の場合もあり、この場合は山の頂点付近のエンジン回転数を使用しなければ加速性能に優れないという性質となっています。このようなトルク曲線を持つエンジンは、高回転型エンジンと呼ばれています。

エンジンの回転数

エンジンの回転数とは、クランクシャフトが1分間に何回転しているかを表している数値です。単位にはrpmが用いられています。クランクシャフトについては後々ご紹介するとして、まずはスロットルを開くと回転数が上がり、より高いパワーやトルクが引き出されるということを理解しておきましょう。

低回転・中回転・高回転

エンジンの回転数は高くなるほどに高パワーや高トルクを発生させることができるのですが、一般公道を走るためには高回転時よりも低回転から中回転域での発揮性能が重要となります。例えるならば、スーパースポーツや競技用オフロードバイクのような車両よりもスペックが低い車両であっても、実用域での頼れるトルクやパワーを持っている方が、公道車両としては優れているという見方もできるのです。

スペック上では最高パワーや最高トルクに目が行ってしまいがちですが、その数値がどれくらいの回転数で発揮されているかも注目すると、フィーリングを楽しみやすいバイク選びが出来ると思います。もちろん、高スペックなうえ、低回転から中回転にかけての性能に溢れる車両であれば、文句のつけようが無い魅力的なバイクといえます。

また、エンジンの回転数がどれほどの数値まで上げることができるかは、エンジンの構造によってまったく異なってきます。低いものでは5000回転程度が上限であったり、高いものでは1万回転異常も平気でまわることができます。あまり回転数を高められない設定のエンジンを無理に回そうとすれば、それは重大な故障の原因となります。バイクにあった回転数を意識した走りも必要なのです。

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