バイクエンジンの吸気や排気に関するパーツの詳細

公開日: : バイク

バルブ機構:OHCについて

吸気バルブと排気バルブの開閉を行うカムが、一本のカムシャフトにまとめられているのがOHC(オーバーヘッドカムシャフト)です。カムシャフトを2本有するDOHCと区別するためにSOHC(シングルオーバーヘッドカムシャフト)と呼ばれることもあります。

OHCの詳細

エンジン下部のクランクシャフトの回転運動を、カムチェーン等を介してシリンダーヘッド上のカムシャフトへと伝えられます。カムシャフトはクランクシャフトが2回転することで1回転し、カムの突起点(カムノーズ)がロッカーアームを介してバルブステムエンドを押すことで、吸排気バルブの開閉を行っています。

OHCは現在主流のバルブ機構の1つです。OHC以前に定番採用されていたOHV(オーバーヘッドバルブ)と比べた場合、バルブの距離を大幅に短縮し、エンジンをコンパクトで軽量にしやすいというメリットがあります。また、カムシャフトを2本有するDOHCと比べた場合にも、小型軽量なエンジンとしやすく、整備性に優れるという利点があります。

OHCのデメリットは、DOHCに比べて高回転型高出力性能のエンジンを作りにくい点にあります。また、1本のカムシャフトで吸排気両方のバルブを開閉しなくてはいけないため、バルブのレイアウトが制限される、吸排気を個別に微調整ができないといった弱点もあります。そのため、高性能を求める現行車両となる場合は、大抵DOHCが選択される傾向にあります。

エアクリーナー

ガソリンと並んでエンジンを動かすために欠かせないのが空気。この空気を取入れ口となるのがエアクリーナーです。様々な工夫が施され、効率よく新鮮な空気を取入れるように考えられています。

エアクリーナーの特徴

空気中には埃や砂などが含まれており、それらを含んだままの空気をキャブレターを通ってエンジン内に取入れてしまっては、問題の原因にもなりかねません。そのため、エアクリーナーにはフィルターが備わっており、空気をろ過してから先に送るようにしています。

フィルターは大きく分けて、乾式フィルターと湿式フィルターの2つに分けることができます。乾式フィルターは目の細かいろ紙を蛇腹上に折りたんだもので空気のろ過を行っています。基本的に定期的な交換が必要となります。

湿式フィルターはスポンジを採用しており、専用のオイルをスポンジに塗布させて埃や砂を吸着させてろ過を行います。汚れたら専用の洗浄液で洗い、繰り返し使うことができます。

負圧によってエアクリーナーから空気が取入れられ、エアクリーナーの容量が大きいほど空気の供給量は大きくなり、内部構造を工夫することで供給率を高めることができます。

基本的にエアクリーナーは雨水が入りにくいシート下に設置されていたり、クルーザータイプではエンジン横の厳重なカバーに収められています。ただし、スポーツタイプの高性能モデルではエアダクトを車体前方に設置して、走行風を利用して新鮮な空気を大量に送り込めるよう工夫しています。

カム

エンジンには吸気と排気を行うバルブが備わっています。このバルブの開閉を操作しているのが、カムとなります。クランクシャフトの回転をカムチェーンなどを利用してカムシャフトへと伝えられ、回転運動がカムによって直線運動へと変換することで、バルブの開閉操作を行っています。

カムの詳細

まず、クランクシャフトの回転運動をカムシャフトに伝える必要があります。この2つを結んでいるのが、カムチェーンと呼ばれる機構です。また、チェーン以外にも、ギア(歯車)を利用したカムギアトレーンや、ギアとシャフトの組み合わせたベベルギアといった伝動方法もあります。

カムチェーン等を通して回転運動が伝えられるカムシャフトは、カムとカムジャーナルによって構成されています。現在定番のSOHCやDOHCといったバルブ機構の場合はエンジン上部にカムシャフトが備わっていますが、OHVと呼ばれる機構ではクランクシャフトの横にカムシャフトが備わっており、プッシュロッドを介してロッカーアームに動力が伝わり、バルブを操作しています。

カムシャフトの数は1本、または2本となります。1本の場合はシングルカム(ワンカム)と呼ばれ、先述したSOHCのバルブ機構にあたります。2本の場合はツインカム(ダブルカム)と呼ばれ、DOHCにあたります。

カムシャフトに備わるカムは卵形をしており、一部が突起しています。このカムが回転すると、1回転に1度だけ突起がバルブを後端を押すこととなり、バルブが開くという仕組みになっています。カムの突起の部分はカムノーズと呼ばれ、この部分が高いほどバルブが大きく開き、高出力を得られるようになります。

キャブレター

キャブレターとは、エンジンに取入れるガソリンと空気の混合気を作り、送り出す役割を持った装置です。吸気系と呼ばれます。日本語では、気化器とも呼ばれます。

キャブレターの詳細

キャブレターは、霧吹きの原理を利用して、混合気を作り出しています。外部から空気を取入れ、負圧によってガソリンを適量噴出し、それをエンジンのシリンダー内へと送り込んでいるのです。

混合気のうちガソリンは、まず燃料タンクから流れてきてキャブレター内のフロート室に溜められます。エンジンが回転してピストンがシリンダー内を下がると負圧が生じます。この負圧が生じると、キャブレター側の気圧が下がり、フロート室に溜め込まれたガソリンがジェットと呼ばれる細い管を通って吸い上げられます。

そうして霧状になったガソリンが、負圧によって外部から取入れられた空気と混ざり合います。空気は、エアクリーナーを通じてキャブレターに届けられています。

キャブレター内で作られた混合気は、インテークマニホールドを通ってエンジンの吸気バルブへと流れ、開閉している口を通ってシリンダー内へとたどり着きます。

混合気の量、つまり吹き出されるガソリンや取り込まれる空気の量はスロットルバルブによって調整されます。スロットルバルブは右手で操作するスロットルと連動しており、これにより、スロットルの開閉が混合気の量を調整し、しいてはエンジンの回転数に影響しています。

なお、キャブレターは季節や標高に応じてある程度のセッティングが必要となります。これは外気温や気圧によってキャブレターの性能が変わってくるためです。

キャタライザー

現在のバイクは、厳しい排ガス規制が行われており、排ガスをいかにクリーンにするかも考えなくてはいけません。その厳しい規制に対応すべくエキゾーストシステム内に備えられているのが、キャタライザーとなります。

キャタライザーの詳細

エキゾーストシステム内に備わる触媒装置であるキャタライザーは、有害物質の拡散防止の役割があります。キャタライザーは蜂の巣のように小さな穴がたくさんある筒状をしている金属の筒です。装着場所は車両によって異なりますが、エキパイやサイレンサーのどこかに備わっています。また、1つとも限らず、複数備わっていることもあります。

キャタライザーの内側には排ガス内に含まれる有害物質と化学反応を起こす貴金属が付着しており、これが触媒として働きます。一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物の3つの有害物質が化学反応し、無害な二酸化炭素、水、窒素に変換させていることから、キャタライザーは三原触媒とも呼ばれています。

排ガスのクリーン化には欠かせ無いキャタライザーですが、金属の筒という性質上非常に重く、車両重量を増してしまうというデメリットを持ち合わせています。また、排ガスの排出に対して大きな抵抗となるため、排気効率も低下してしまいます。

なお、キャタライザー以外にも随所で工夫が施されており、排気ポートにエアクリーナーからの空気を送り込んで未燃焼ガスを燃焼させるエアインジェクションシステムや、エンジン内で発生したブローバイガスをエアクリーナーにて再吸入させる還元装置などが搭載されています。これら工夫が重なり合って、厳しい排ガス規制をクリアしているのです。

エキゾーストシステム

エンジン内で爆発が起これば排気ガスが生じます。この排ガスを外部に効率よく安全に排気させるのがエキゾーストシステムの役割です。バイクの外観を決定する大きなデザイン要素でもあります。マフラーとも呼ばれます。

エキゾーストシステムの詳細

エンジンで発生する排気ガスは音量も大きく、また高温であるためにライダーや周囲にも非常に危険です。また、排気ガス内には有害物質も含まれており、環境にも悪いです。それらを防ぐために、排ガスを安全に後方へと導き、消音や有害物質を可能な限り低減して排出するのが、エキゾーストシステムとなります。

システムはエキゾーストパイプ(エキパイ)とサイレンサーの2つの部位によって構成されています。エンジンの排気ポートから後方へと伸びるのがエキパイで、排気効率やライダーに接触しないような取り回しを考慮しています。サイレンサーは、エキパイの後端に備えられており、排気音の減音やは威圧、温室の調整も行っています。

サイレンサー内部は、減音するために内部が複雑な構造となっています。内には複数の部屋が設けられており、底に排気ガスが小さな入り口から入り込んではまた次の部屋に移動するを繰り返し、音を小さくしてから排出しています。また、グラスウールという目の細かい綿状のガラス繊維を消音材として内部に仕込んでいます。

左側後方には駆動系が備わっていることが多いため、マフラーは通常、車体右側に備わっています。しかし、車両によってはセンター出しマフラーという車体の中央に位置するタイプであったり、左右両出しという場合もあります。

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