醤油の種類と特徴を詳しくご紹介

公開日: : 最終更新日:2015/12/24 グルメ.食品


醤油のルーツをたどると古代中国で誕生した“醤(ジャン)”にあるというひとつの説があるほど、醤油はとても古く歴史のある調味料です。
日本においてもやはり歴史は古く、弥生時代よりはじまり、江戸や明治、現代と日本人の食文化の歴史には友として存在し続けています。

大豆と小麦、塩を原料とし、醗酵過程を経て熟成することで、私たちの鼻と舌に馴染み深い醤油が完成します。
日本の料理では決して欠かすことができない調味料のひとつであり、外国に行っても「ショウユ」という単語が通用するほどの優れた知名度と味の人気を誇ります。

しかしながら、醤油といってもその種類は数多く存在しており、おもなものとしては「濃口」「淡口」「溜」「甘露」「白」の5つに分けられ、名前こそ知っていてもそれぞれの特徴までをご理解している方は、日本人でもあまり多くはないことでしょう。

こちらでは、以下に醤油の代表格である5種類の特徴をご紹介していきます。
馴染み深い醤油についてもう一歩踏み込んだ知識を蓄え、料理の幅を広げてみましょう。

濃口醤油

醤油の大定番が濃口

醤油と聞いて多くの方がイメージするのが、濃口醤油となります。醤油全体の生産割合から見ても、その約8割がこの濃口醤油に割当てられており、いかに日本人がこのタイプに馴染み深いかを察することができます。一般家庭ではもちろん、全国の飲食店でもこちらの濃口醤油が当たり前のように選択されます。

5つの醤油のなかでは真ん中の存在

特徴としては色が濃く、薄口と比べると明らかに黒々としています。
5種類に分けられる醤油のなかでの色身の立ち位置は中間のようなもので、また塩分濃度も真ん中となり、平均的な立場が料理との愛称を抜群に保っているともいえます。
代表的存在ということで味も馴染みが深く、醤油特有の香りに満ちています。

その歴史は江戸時代中期の関東地方にあるとされ、江戸を代表する調味料として発達、親しまれてきました。
この事情から現在では東京で定番に用いられる黒味の強い醤油として親しみがあり、さらに関東より北の地域は北海道まで濃口が親しまれ、一方で関西は淡口が親しまれています。
この違いはうどんやそば、煮物といった料理の色味にも反映しています。

最も万能で何にでも合う醤油

濃口醤油の使い道は限定がないといわれるほどで、万能な存在です。
和食料理であれば、濃口醤油を用いることでまずは無難に美味しく仕上げられるでしょう。
また上記でお話したとおり、麺類や煮物の色を黒々と仕上げることから、関東風の料理を仕上げるにも欠かせない存在です。
ちなみに、淡口醤油と比べると濃口醤油のほうが塩分は控えめとなります。
色身から逆を想像してしまいがちですが、塩分濃度は色味と逆と覚えておくと良いでしょう。

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淡口醤油

濃口に次いで2番目の定番

淡口醤油は濃口醤油に次いで2番目の生産量と知名度を持ちますが、その1番とのあいだには大きな差があります。濃口の生産割合が約8割であるのに対し、淡口は1割少々と差が歴然なのです。しかしながら、淡口醤油は関西地方を中心に親しみある味と色として、古くから関西をイメージするには欠かせない醤油ともなっています。

製造過程は変わらずとも変化する醤油

色味は濃口醤油よりも薄く、白醤油よりも濃い特徴を持ち、薄さとは反比例して塩分濃度は18~19%と、濃口醤油よりも約2%ほど濃いのが基本です。

製造過程は濃口醤油とほぼ同じなのですが、仕込みの際の塩分を高め、また醗酵熟成にかける時間が進むほど色が濃くなるため期間を短くすることで、淡く塩分の濃い醤油に仕上げています。
ほかにも温度や火入れの管理を細かく行うことで、過程は変わらずとも別の存在ともいえる醤油の違った一面を引き出しているのです。

上品な色味は洗礼された料理に合う

薄くとも塩分と旨みは濃縮されているこの淡口醤油は、素材の野菜や肉を大いに引き立てる醤油として人気です。
そのため関西は京料理に必須となるほど上品な存在として認識されています。
淡くとも塩分が濃いという特徴は素材の旨みを損なうことがありません。

そのため仕上がる料理の色味から味わいまで醤油が大きく主張することがなく、それでいてしっかりと味をサポートしてくれるというわけです。
関西方面のうどんやそばの汁が単に薄いのではなく、品のある淡さと考えると、その味わいはまた変わってくることでしょう。

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溜醤油

3番手の侮れない醤油

3番手の生産量を誇る溜醤油ですが、全体の約2%弱と非常に少なく、一般家庭ではあまりメジャーではない醤油です。
しかしながら、濃口醤油と淡口醤油とは異なる製造工程と特徴を備えることから、料理に意外な一面を与えることとなり、その人気は海外にまで及んでいる侮れない醤油なのです。

小麦を使用していない醤油

醤油の全材料は大豆と塩、そして小麦です。
濃口では大豆と小麦の割合がほぼ同量と意外にも大豆と同じくらい小麦が重要となっているのですが、この溜醤油に関しては、基本的に小麦を使わず大豆100%で製造される大きな特長を持っているのです。

そのため仕上がりは大豆の旨みであるたんぱく質が豊富に含まれる濃厚な味だけでなく、小麦アレルギーの方でも楽しめる醤油となっているのです。

この小麦を使わないグルテンフリー性から、日本人だけでなく海外からもアレルギーを持つ方に好まれています。
製法も独自なもので、麹にする過程を踏まえることで大豆の旨みと独自のとろみある醤油に仕上げます。なお、塩分濃度は濃口と同じ程度です。

小麦アレルギーの方にピッタリ

小麦がいかに多くの食品に含まれているかは、アレルギーをお持ちではない方には分かりにくいことです。
醤油も小麦が使用されている意外な調味料とこちらで知った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
日本の味として大定番の醤油を楽しめないことは残念であり、そんな方でも醤油が楽しめる溜醤油は画期的存在といえるでしょう。

もちろん、溜醤油ならではの大豆を生かした栄養と旨みも料理に新たな一面を与えてくれます。
なお、溜醤油の中には小麦を少量加えて香り立ちを高めているものもあるため、小麦アレルギーの方は注意が必要です。

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甘露醤油(再仕込醤油)

濃厚な味わいが魅力の醤油

基本的には代表的な濃口醤油と同じではありますが、その仕込みの手間を高めることで濃厚な旨みとコクを持つ甘露醤油が完成します。
桶に仕込む行程を2回行うため、二段仕込醤油、また再仕込醤油とも呼ばれます。
国内生産量割合としてはわずか1%ほどと少なく一般家庭にも馴染みが深くない商品ですが、手間隙を惜しまず職人の技術と想いが集約されたこだわりの醤油と言えます。

秘訣は2倍の手間に有

原材料となる大豆と小麦の割合も製造工程も濃口醤油と同じですが、製造工程の手間が違います。単純に説明すると、その手間にあります。
まず、塩水に仕込む濃口醤油と違い、甘露醤油では酵素が活発に活動する加熱処理が行われていない醤油に仕込まれ製造されます。

製造にかかる原材料、そして月日の手間を2倍にかけることで、とろけるような濃厚で旨みが凝縮された甘露醤油が完成します。
色味はとても濃く、しかし塩分濃度は決して2倍ということはなく、約16%と濃口醤油と変わりません。塩分はそのままで、醤油としての深みが2倍に膨れ上がっているのです。

濃口よりもワンランク上の風味を料理に

濃口と同じ塩分濃度でありながら濃厚な旨みを持つ甘露醤油は、料理に同じく利用したとしても醤油がアピールする存在感が異なります。
日本食から海外食まで、さまざまな用途にお使いいただければ、料理から醸し出される醤油の存在感がワンランクアップします。

シンプルに甘露醤油ならではの味わいを楽しみたい場合は、お刺身やお寿司、またステーキといった同じく素材を楽しみやすい素朴な食べもののお供として使用するのがおすすめです。

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白醤油

透き通る色から感じる上品な存在感

醤油の黒味という概念を外す、異質に近い存在感を放っているのが、白醤油です。
淡口醤油よりも薄いこの醤油は愛知県碧南市で誕生した独自の香りと甘い味を持ち、生産割合は甘露醤油同様に約1%と希少で貴重な存在です。
塩分濃度は18%と、淡口醤油と近い数値となっています。

工夫により白い姿が誕生

醤油の通常の製造工程を踏まえると黒味を帯びてしまうため、淡い白味を損なわないための工夫が凝らされています。
まず主原料として大豆ではなく小麦にスポットを当てています。

濃口が両方を半分ずつ使用しているのに対し、白醤油では小麦をほとんど選択、大豆はわずか全体の5%~20%が主流としています。
なお発祥当時は小麦100%を利用していましたが、その場合は“醤油”としての表記ができなくなってしまい、「醤油風調味料」といった名称が用いられていました。

また、原材料処理工程で醤油に濃い色をつけてしまう大豆や小麦の皮を取り除き、熟成期間を短くすることで限りなく透明に近い美しい白醤油を完成させることができます。
製造期間は短くとも、このように独自の手間ひまがかけられてつくられています。

料理の素材の良さを引き立てる縁の下の力持ち的な存在

大豆をほとんど使用しておらず、行程上の特徴からほかの醤油と比べると旨みやコクが控えめとなり、主張のあまりない味に仕上がっています。
これは料理に使用する素材の味を引き立てる上品な存在というメリットを発揮し、高級料理のかくし味や、麺類のスープに用いられます。

また、白醤油に昆布や鰹節などからつくった、出汁やみりんなどの甘みを加えてつくられた白だしという商品もあり、高級料理店から一般家庭ではこちらのほうが料理に親しみある存在となっています。

醤油の原材料は基本的には大きな変化がなく、数ある商品はその割合の違いとなります。
また製造工程にやや独自の変化を加えることで、色味や塩分濃度だけでなく、その魅力も違った引き出され方を見せているのです。
その違いは醤油ひとつを変えるだけで、料理の性質そのものも変化させてしまうほどです。

濃口と淡口の違いによる関東と関西の味の違いはその代表的な例でしょう。
溜醤油や甘露醤油、白醤油となるとお目にかかる機会も手に取る機会も少ないものですが、ご家庭にあれば料理の幅が広がること間違いありません。
あなたも複数種類の醤油を購入し、使い分けてみてはいかがでしょうか。

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