既存の生態系を脅かす外来種たち

公開日: : 最終更新日:2015/08/24 生活


既存の生態系を脅かす外来種たち、

最近、生き物や植物の外来種の問題がますます大きくなってきています。
この外来種の問題というのは何がいけないのでしょうか。
一つは、繁殖力や
外来種とは、もともとその地域に生息してなかったものが、人為的な影響で生息するようになった動物や植物の事です。

これら外来種の影響は大きく、いくつかの例としては、

・湖や池では、ブラックバスやブルーギルの繁殖で在来の淡水魚が激減しています。
・田んぼの周りの用水の壁に無数に見られる赤色の卵、ジャンボタニシの卵ですね。
ジャンボタニシは稲を食べたり、怖い寄生虫を持っています。
・アライグマやヌートリアなどの哺乳類の家屋の被害や農作物への被害も多く発生しています。

このように、外来種の問題は種の保存という生物学的な問題だけでなく、生活環境の変化や食生活の変化など将来に渡って大きな影響を与える問題です。
以下では、これらの状況を個別にみていきましょう。

動物編

動物園などで見ることができる、可愛い動物たち。
見ているだけなら癒されたり、興奮したりするものですが、これらがもし野生に存在するならば、「可愛い」だけでは済まされない状況になってしまいます。

飼えなくなったら捨てるという行為

ペットとして外来生物を飼育することが一般的になってきています。
しかしながら、エサが高価であったり、意外と凶暴な性格であったりというのを目の当たりにして、飼育できないからと捨てる飼い主が増えているのです。
すると、動物たちも生きていかなくてはならず、農作物を食べたり、小型の動物を食べて生態系を狂わせる原因に。
さらには、人を襲うような大型の動物もいるため、そのような被害も出てきているのです。

アライグマの被害

その可愛さから人気を誇った「アライグマ」も、元々は北アメリカにて生育していました。
日本の動物園に入ってきたアライグマが、逃げ出してしまったのが野生の始まりです。
そしてさらには、ペットとして人気であった分、飼育不可能で逃がす飼い主が増えたことも原因。
全国的に野生化したアライグマが発見されています。
アライグマは何でも食べる雑食なので、植物も動物も被害に遭ってしまいます。
農作物を荒らしたり、家畜の鶏などが襲われるケースがあります。
また、捕獲しようとしてむやみに触ろうとすると、かみついたり引っ掻かれるなどして寄生虫が体内に入り、それによって死者がでる場合もあるのです。

食物連鎖を狂わせる動物たち

ほかにも「チョウセンイタチ」や「カイウサギ」などの、一見おとなしそうで可愛らしい動物も、日本に元から存在していた種類を脅かして暮らしています。
とくに、チョウセンイタチは、日本のニホンイタチの生活圏を侵食し、西日本においては優勢を保っているのです。
チョウセンイタチのエサとなる小動物の数は減少傾向にあり、また家屋への糞尿被害も増加しています。
ネズミ駆除のための「ノネコ」や、ハブ退治の「ジャワマングース」など、目的があって連れてこられた外来生物の野生化も問題となっています。
とくに、ノネコは繁殖の頻度が激しく、エサとして小型の哺乳類を食べるので、深刻な影響を与えているのです。

植物編

日本中、どこを歩いていても目に入ってくる植物たち。
これらの植物は、日本古来のものが多いのでしょうか。
それとも、外国から入ってきたものが多いのでしょうか。

帰化植物とは

植物の外来種の中で、日本に持ち込まれてから野生として生えるようになった植物を「帰化植物」と言います。
日本国内に存在する植物は約4000種類あるとされており、帰化植物はそのうちの約1200種あると言われています。
こうしてみてみると、3割程度が外来種の帰化植物だということになります。
こうした帰化植物は、栽培目的で輸入されたものが、なんらかの形で野生化してしまうことが多いのです。
動物のように飼育スペースを隔離できるものではないため、意図せず種や花粉が飛散し、徐々に生育場所が広がっていきます。
また、海外からの輸入貨物などに花粉や種子が付着することで、日本で生育がはじまる場合もあります。
これは、人間が意図しない持ち込まれかたです。

増加してしまった理由

そして、こうして持ち込まれた帰化植物は、見た目では日本の植物と区別がつかないため、排除されることなく増加していくのです。
また、植物に対する規制はとてもゆるく、「美しいから」や「薬草として有効」などの理由から、外来種への対策もされませんでした。
しかしならば、他生物の外来種と同様に、植物であっても、日本の生態系を脅かすとされ、帰化植物に対する規制もはじまっています。

帰化植物の影響

黄色い花をつける「セイタカアワダチソウ」は、雑草がある場所にどんどん増えていき、ほかの植物が生えるのを阻止してしまいます。
見た目は黄色くてきれいに見えますが、その下では日本の植物が育たなくなっているのです。
また、花粉症の人はスギやヒノキでのアレルギー反応が多いものですが、帰化植物である「ブタクサ」の花粉症も問題となっています。
さらには、河川に存在する「ホテイアオイ」などにおいては、魚の産卵を妨げるなどの影響も出ているのです。
動物や魚などと比べると、植物の影響は少ないように感じます。
しかしながら、静かに、確実に植物の生態系を影響を及ぼしているということを忘れてはいけないのです。

昆虫編

昆虫は、子どもたちだけでなく大人も楽しめるコレクション性を持っています。
クワガタやカブトムシ、蝶。
それに加えて、黄金虫やカミキリムシなどの昆虫も人気です。
しかしながら、これらは日本古来の昆虫であることは少なく、飼育できなくなった場合に野生に返すと、日本の生態系を狂わせる原因となってしまうのです。

昆虫の飼育は難しい

昆虫の場合は、エサが特殊なことも多く、また飼育する環境にも気を配らなければいけません。
温度や湿度、水や土、樹木などの設備や面積。
一般的なペットである犬や猫を飼育するよりも、とてもシビアなのです。
飼育が難しいのをわかっているはずなのに、それらを整えることが面倒くさくなり、身勝手に森や林に逃がす人が後を絶ちません。
それによって、ほかの昆虫や植物が生育できない状態に追い込まれるのです。
また、日本の気温が上昇するにつれて、温かい地域に存在していた昆虫たちが、北上してきているのも生態系を脅かすことになる一因となっています。
それまで見たことがなかった昆虫が、意図しない形で日本に入り込んでいることがあるのです。

人体への悪影響

「日本の侵略的外来種ワースト100」という、生態系への影響が大きく懸念される生物のリストにおいて、昆虫は22種類が選定されています。
あまり聞いたことも、見たこともないものが多い中、「ネッタイシマカ」、「チャバネゴキブリ」などは害虫として有名なのではないでしょうか。
とくにネッタイシマカにおいては、デング熱などを媒介するため、人体への影響が懸念されます。
日本国内では他の蚊によって席巻され、定着しているわけではありませんが、気温上昇に伴って増えるのではないかとの見方がされています。
ほかにも、農作物に影響を及ぼす「ミマミキイロアザミウマ」や、花を荒らしていく「ヒロヘリアオイラガ」は、ウイルスを媒介したり、有毒性の体毛を持っているため危険度も高いのが特徴です。

昆虫だからといって油断しない

昆虫は、見た目は小さくて弱く見えても、どこに武器を隠し持っているかわかりません。
むやみに触ったり、捕まえて飼育したりしようとするのはやめましょう。
そして、飼育するために購入した昆虫などを、野生に逃がすのもやめましょう。
日本の生き物たちを守るために、できることをしなければならないのです。

川編

日本にはさまざまな魚が住んでいます。
しかし、それらはすべてが日本古来から存在していたものではありません。
いま、問題になっているのが「外来種」による日本の川の生態系が脅かされること。
日本古来の魚や生物を外来種が食べてしまったり、住む場所を追いやられたりしているのです。

多摩川はアマゾン?

東京の多摩川は、皮肉を込めて「タマゾン川」などと呼ばれています。
これは、多摩川により多くの外来種が放流されてしまっていることが原因で、このように呼ばれているのです。
外来種は元々観賞用であったり、ペットとして飼われていたものが、非常識にも放流されてしまうことで、日本の川で生きていくしかなくなります。
多くの外来種は、日本よりも厳しい環境で生きてきたものが多いため、体長も大きく、日本の生物を食料にするなどして生き延びています。
また、多摩川にはアマゾンにしか生息していなかったはずの魚も多く放流され、危険なピラニアやワニガメなども発見されています。
そしてその数は、200種類を上回っているのです。

日本の川に存在する外来種

日本の川に放流される外来種には、一見危険ではなさそうな生物も多く含まれます。
ペットショップで売られている熱帯魚もその一つです。
エンゼルフィッシュ、グッピーなど、可愛くて人気がある熱帯魚も、日本の川にとっては外敵となります。
また、中型~大型の熱帯魚を飼育することが難しくなり、放流するケースも。
ピラニアやキャットフィッシュ、シルバーアロワナなどがこれに該当します。
さらに、危険なのは魚だけではありません。
スッポンモドキと呼ばれるワニガメの仲間や、ミシシッピアカミミガメといった爬虫類も、生態系を狂わせる原因となっています。

人間の無責任が生む悪影響

これらの外来種がいるのは、飼育できなくなったペットや、大きくなりすぎたから捨てるなどといった、無責任な行為の現れです。
また、釣り人が趣味で楽しみたいがために、外来種を好き勝手に放流したことも原因のひとつです。
生き物を自然に返しているのだから良いのでは?というと、違います。
犬や猫を飼育放棄して、やがては死なせてしまうことと同等の無責任な行為です。
無責任が生む生態系への影響を、再度考え直さなければいけない状況となっているのです。

池、湖物編

釣りによる弊害

池や湖では、釣りをする人が多く目立っています。
中にはお子さん連れで一緒に楽しんでいる人もいます。
釣りは、命を学ぶ上でとても有効であるとされています。
それは、「キャッチ&リリース」という、むやみに命を奪わないという方法が取られているからです。
しかしながら「キャッチ&リリース」によって弊害も生まれてきました。
それは何かといいますと、外来種が増えてしまったことなのです。

外来種のバランス

池でよく見かけるジャンボタニシは、スクミリンゴガイと呼ばれ、稲作をする上での天敵です。
池などに生息することが多いですが、その住処をどんどん広げ、水田でも発見されるようになりました。
赤い小さな粒が集まった塊を見たことがあるのではないでしょうか。
これが、ジャンボタニシの卵です。
見ていても不気味で不快な気分になってしまう人もいることでしょう。
また、アメリカザリガニも外来種です。
飼育用に扱いやすく、ペットにする家庭も増えていますが、途中で飼えなくなってしまうケースが多いです。
これらの外来種を食べることで生きているのが、ブラックバスなどの外来魚です。

極端な対策の悪影響

池や湖には、このように外来種が多数存在していますが、食物連鎖によってバランスが保たれているのも事実です。
しかしながら、外来種を減らして日本の生態系を守る動きは活発で、「キャッチ&リリース」を禁止する条例をつくる市町村が増えてきました。
それにより、ブラックバスを釣ったら廃棄しなければならなくなり、釣り人は殺すために魚を釣るという行為をしなければなりません。
それに対しての反発が大きいのも事実です。
しかし、元々は日本の生態系を狂わせてしまったブラックバスも、ほかの外来種が増えすぎるのを抑えてくれていたため、釣って殺すを繰り返しすぎて、逆にザリガニやタニシが増えすぎてしまったという地区もあります。
そうなってしまえば、余計に日本古来の生き物が住む場所を追われてしまいます。
もちろん、元々は存在しなかったブラックバスなどの大きな外来種が、日本の池や湖に運び込まれてしまったことが一番の原因です。
しかしながら、その対策のためにむやみに殺して処理をすればいいのかというと、それは違います。
これ以上バランスを狂わせないためにできることを、私たちは考えていかなければならないのです。

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