猫の食事、必要な栄養素や食欲不振の対処法

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猫を飼う上で大事なことのひとつが食生活です。
猫の食生活は年齢や個体によって好みが違うので、その違いをよく理解して与えるようにしましょう。

子猫の食欲の特徴や食事量

子猫の食欲

子猫はとにかく食欲旺盛です。
しかし、子猫は成猫に比べるとまだ胃が小さく、1度に少量しか食べられません。
子猫のうちは1日に何回にも分けて多量の食事を欲し、飼い主は食べ過ぎなのではと心配になる方もいらっしゃいます。
子猫の食欲はピーク時だと、体重あたりの必要カロリーが成猫の約3倍にもなるので、食欲があるのは健康な証拠です。

子猫の食事量

子猫の食事量は個体によって欲する量が違ってきますが、与える子猫用フード食品のパッケージに記載されている給与量が目安となります。
食事時の様子を見て、1日の給与量を数回に分けて与えるようにしましょう。
目安となる給与量以上を子猫が求めてきた場合、与えすぎもお腹を壊す原因になるので、獣医師に相談してください。
子猫のうちは食事量も安定しないこともあり、子猫によって食欲や消化吸収能力に個体差があるということを理解しておきましょう。
ただ、1日の給与量を食べきらなかったり、食欲不振が感じられたりした場合は、早めに獣医師に相談してください。

長生きするために

猫は加齢に伴い臓器の機能も低下してきます。
年齢に見合った食事を与え、健康維持に繋げましょう。
高齢猫期の7~10歳になると、それまでと同じように食欲があっても、活動量が低下しカロリー消費量が減るため、肥満になりやすくなります。
その為、摂取量を控えめに調節することが必要です。
11~14歳期は、老齢猫用のビタミン類が多く配合されたフードを選ぶと良いでしょう。

獣医師と相談

はじめて猫を飼う場合、何をどのくらい与えればよいのか分からないということもあるかもしれません。
その場合は、かかりつけの獣医師に相談してみてください。
獣医師に定期的に診てもらうことで、その時々に合った食事量を確認してもらいましょう。
猫により長く生きてもらうには、飼い主の食事に対するこういった理解が大切となります。

猫の食事で必要な栄養素の種類と内容


猫に食事を与える上で、気を付けておきたいのが栄養素です。

子猫の時期が一生を決める

子猫の時期からしっかりと栄養バランスの取れた食事を与えることで、健康な体づくりに繋がります。
子猫の時期は、可愛さあまりに好きなものばかり与えたくなることもあるでしょう。
しかし好きなものだけを与えられると、主食である総合栄養食品に興味を失い、偏食となってしまいます。
時々ご褒美程度に、好みのおやつなどを与えると良いでしょう。

必須栄養素

猫の健康な体づくりに必要な栄養素は人間が必要とする栄養素とほぼ同じですが、食性や代謝が異なるため必要とする栄養素の量が違ってきます。
必要な栄養素で代表的なものを覚えておきましょう。

たんぱく質

たんぱく質は、筋肉をつくり、ホルモンや酵素として働きます。
猫のたんぱく質の必要量は、体重1kgあたり6.4gとなっており、これは人間に比べると、5~6倍の量となります。

炭水化物

猫の食事において、炭水化物は必ずしも必要なものではありません。
しかし、炭水化物は猫にとって必要なグルコース(ブドウ糖)の代わりとなる栄養素です。
グルコースは本来、生きた動物の肉に存在しますが、猫が口にすることはありません。
炭水化物は猫の消化管内で分解され、他の栄養素の吸収に役立つので、グルコースの代用として利用されています。

ビタミン

猫はビタミン類の中でも、ビタミンB1が必要です。
しかし、猫が好きな魚にはこのビタミンB1を破壊する酵素が多く含まれているので、魚の与えすぎには注意しましょう。
魚の偏食はビタミンB1欠乏症を引き起こし、やがて食欲不振や神経症状が出て、死に至ることもあります。

総合栄養食品を選ぶ

必要な栄養素が分かったところで、実際にペットフードを選んでみましょう。
市販されているペットフードのパッケージには成分表示がされています。
たくさん記載されている成分の中に、必要なものが含まれているか見極めるのは難しく感じるかもしれません。
そんな時は、総合栄養食品と書かれているものを選びます。
また、獣医師に相談して、おススメの商品を紹介してもらうの良いでしょう。

猫の食事で毒になる食べ物


猫に食事を与える際に覚えておきたいのが、猫にとって毒となる食品です。
物によっては死に至ることもあるので、しっかり覚えておきましょう。

塩分の多いもの

猫にも塩分は必要なものですが、摂り過ぎは心臓や腎臓の疾患の原因となります。
汗をかくことができない猫は、必要以上の塩分を摂取することは臓器に負担をかけるのです。
干し魚や人間用の缶詰、ハムや醤油で味付けしたものは与えないでください。

甘いもの

甘いものは猫の食生活にとって基本的に必要ありません。
また甘いものは歯の健康にもよくないので、与えないようにしましょう。
チョコレートや猫の心臓に負担をかけるといわれ、アイスクリームなども与えないようにしてください。
甘いものを与えると、糖尿病になる危険性があるので覚えておきましょう。

ネギ類

玉ネギや長ネギなどのネギ類に含まれる成分アリシンは、猫の血液中の赤血球を溶かす作用があります。
この毒性は加熱しても破壊されないので、とくに注意が必要です。

イカ類

イカには猫に必要な栄養素であるビタミンB1を破壊する酵素が含まれており、与えるとビタミンB1欠乏症を起こす危険性があります。
また、スルメイカも注意が必要です。
スルメイカはお腹の中で10倍にふやけ、胃拡張となり動けなくなってしまいます。
消化も悪く、嘔吐の原因にもなるので、与えないでください。

鳥の骨、魚の骨

鳥の骨は硬く、食道を突き刺す恐れがあるので気をつけましょう。
魚の骨も消化が悪いので、与えないようにします。

アルコール

アルコールを与えると猫も酔ってしまいます。
ひどい場合は昏睡、または死に至ることあるので、気をつけましょう。

生卵

生卵には、皮膚に問題を引き起こすアビディンという酵素が含まれています。
またサルモネラ菌が含まれている場合もあるので、与える場合はしっかりと火を通しましょう。
火を通した卵の栄養素は、子猫・成猫・老猫を問わず理想的な食品となります。

迷ったら与えない

猫が食べても安心かどか分からない場合や、迷った場合は与えるのはやめましょう。
猫にとってバランスのよい食事を与えるうえでは、市販の総合栄養食品が一番安心です。

猫の食欲不振時の基準やチェック方法


猫は体調や気分によって、食欲も増減します。
いつもと様子が違う、急に食欲がなくなったという場合は注意をしましょう。

食欲不振の定義

食欲不振とは、食事の量が減った場合、あるいはまったく食事をとらない場合を指します。
食欲不振の場合、さまざまな病気が疑われますが、病気の中には異常に食欲が高まるものや、食べても食べても痩せて場合があるので注意しましょう。
食欲不振には病気以外の要因があるかどうか、また食欲がない期間がどれくらいかをよく見極めることが大切です。

判断の基準

食欲不振と判断するうえで、普段食べている一定の量がばらついてきたら、食欲不振の始まりと考えましょう。
普段の食事で1食分食べなかった場合は心配ありません。
食欲不振の場合は食べないことが続くので、2食分食べなかったときは注意しましょう。
また、食べなかった時間から食欲不振と判断する場合、猫の年齢によって時間の定義が異なります。
生後2ヶ月未満だと8時間、2~3ヶ月だと12時間、3~4ヶ月だと16時間、1歳以上の成猫だと24時間以内であれば、とくに問題はありません。

行動チェック

食欲不振が疑われる場合、正常な行動での食欲不振かどうかチェックしましょう。
猫は何かを怖がっている時、落ち着かない時、興奮しているときは食欲がなくなるものです。
また環境の変化、例えば引越し直後や旅行中、旅行から帰ってきた時なども同様の傾向があります。
猫は環境に精神を左右されやすい生き物なので、このような状況にあるかどうかチェックしましょう。

食事そのものをチェック

猫は、昨日は食べたのに今日は食べない、昨日と違うものを与えたら食べない、ということがあります。
また、前の食事で食べ過ぎて食欲がわかないということもあるので、食事の量も確認してください。

最後は病気を疑う

食事や行動に問題が無く、食欲不振が続く場合、さまざまな病気が疑われるので、そのようなときはできるだけ早く獣医師の診察を受けましょう。
病院では食欲不振の原因を突き止めるためにさまざまな検査が行われ、絶食時間が長い場合、点滴や強制給仕の処置を受けることになります。

エサに対する好み:猫の食欲不振の原因


猫は健康に何も問題がない場合において、空腹時でも「エサが気に食わない」という理由から食事をしないことがあります。
猫がエサを避ける代表的な理由を覚えておきましょう。

食感や味

猫は味にうるさいところがあり、味・食感・温度・においなど、猫にしか分からないごく微妙な変化が、食欲を大きく左右することがあります。
猫の好き嫌いを見極める方法のひとつに「しぐさを見る」というものがあり、試してみましょう。
猫が食事のとき、エサのにおいを嗅いで唇をなめるのは気に入った証拠とされ、鼻をなめるのは気に入らなかった証拠とされています。
同じエサを与えるとしても、ドライフードなら水を加えてみる、ウェットフードを混ぜるなど、食感に変化をつけてみましょう。

飽きた場合

猫の体によい総合栄養食品でも、一種類を長く与え続けると飽きてしまう場合があります。
これは猫に限らず、犬にも見られる普遍的な現象です。
飽きたからといって急にエサの種類を変えると、胃がびっくりして吐いてしまうことがあるかもしれません。
その場合は全体の1割ほどを新しい種類のものに変え、様子を見てみましょう。
好みのエサが見つかるまで、じっくりあせらず、試行錯誤を繰り返してください。

新しいものが嫌い

猫には目新しいものを避ける、ネオフォビアと呼ばれる現象が時折見られます。
生後6ヶ月までに多種のエサを経験しなかった場合、食事に対する好みは極めて制限され、数種類のエサ以外は拒否することもあるでしょう。
こういった環境で育った猫は、新しいエサに拒否反応を起こし、食べ物を受け付けなくなることがあります。
猫は成長年齢に応じて食事を変えることで、健康につながり長生きにもなるので、エサの変化に順応できるよう、子猫の頃からさまざまな種類のエサを与えておきましょう。

たまにはご褒美

普段の食事に変化をつけることも大切です。
ドライフードやウェットフードに鰹節を少量トッピングするなど、いつもの食事に少し変化を付けてみましょう。
猫が気に入れば、食欲がないときに試してみてください。

季節的な問題:猫の食欲不振の原因


猫も季節の変動によって食欲の増減に影響を受けることがあります。
季節に関連した食欲不振の要因をしっかりと覚えておきましょう。

食欲増減の周期

猫はおよそ4ヶ月周期で摂取カロリーの変動が起き、それに伴い体重や食事の摂取量も周期的に変化します。
この体内周期が原因で一時的に食欲不振に見えることがありますが、しばらくすれば自然回復するので、様子を見ましょう。
猫を飼いはじめた当初は、こういった猫の体内周期に飼い主が慣れていないので、心配でしたら獣医師に相談してみてください。

繁殖期

猫が繁殖期に入ると、異性への興味が強まり食欲がなくなることがあります。
オスの場合、性欲の衝動が抑えられなくなり、食欲は二の次となるのです。
またメスの場合は、妊娠初期に食欲不振が見られますが、これは正常な変化といえます。
性欲に伴う食欲不振は、避妊・去勢手術を施すことで軽減できるので、繁殖を望まない場合は早めに動物病院で手術を受けましょう。

夏バテ

猫も夏の暑い季節に夏バテになることがあります。
気温があまりにも高いと体温調整に神経を使い、食事どころではないのです。
食欲不振が夏季に限定されていれば、暑さが原因と考えられます。
夏バテが原因であれば、猫の住環境を整備し、快適に過ごせるように改善しましょう。

ワクチン摂取後

病院で感染症予防のためのワクチン接種をした場合、一時的に食欲不振になることがあります。
また、治療のための虫下し薬を滴下したり、錠剤の薬を飲ませたりした場合も同様の症状が見られるかもしれません。
一時的な症状なので、多くの場合は時間の経過とともに回復します。
ただし、猫によっては薬が合わなかったり、アレルギー反応を起こしたりすることもあるので、症状が回復しない場合はすぐに獣医師の診察を受けてください。

子猫は要注意

子猫は成猫に比べてまだ体ができ上がっておらず、季節や周りの環境、ワクチン接種後の体調に変化が出やすくなっています。
特に夏場の暑さを初めて体験する場合、こまめに水を飲んでいるか様子を見てください。
水をあまり飲んでいないようなら、一度獣医師さんの診察を受けてみましょう。

食器・環境・時間:猫の食欲不振の原因


猫の食欲不振の原因において、時には飼い主の思いもよらない些細なことが原因だったりします。

気に入らない食器

猫は繊細な生き物です。
食事の際の食器ひとつで気分を害することもあります。
衛生的でなく汚い、キラキラしている、または多頭飼いの場合、他の猫の唾液がついているなどの理由で食器を嫌うのです。
この場合、食器を買い換えてみてください。
また、食器の形も重要な要素となります。
底の深い器だとヒゲが器の縁に触れることで、食事を嫌がる猫もいるのです。
その場合は器を平べったいお皿に変えてみると良いでしょう。
猫によって器の形の好みが違うので、まずは家にある食器をいくつか試して、猫の好みの食器の形を探してみてください。

気に食わない環境

食事中の猫の環境に何か気に食わないことがある場合、食欲不振になることがあります。
来客中で見知らぬ人の目に晒されている、引越しにより部屋の様子が変わった、ペットホテルに預けられたなどです。
こういった環境変化が要因の食欲不振の解決のために、猫が安心できる環境を用意してあげましょう。
食事中は無防備になるので、人の視線を感じると食欲不振になってしまうことがあるのです。
壁際にキャリーケースを置く、部屋の一部に間仕切りをする、食事専用スペースをつくってあげる、などがあります。
環境を整えてあげると、安心して食事に専念できるでしょう。

食事の時間

猫は一日のサイクルを大切にする生き物です。
急に食事を与える時間を変更したりした場合、猫は生活リズムが狂わされ食欲不振になることがあります。
飼い主側の都合で時間を変えず、家族全員で世話をすることで、猫の生活リズムを崩さないようにしましょう。

加齢

猫は加齢とともに基礎代謝が低下し、必要摂取カロリーが少なくなります。
それに伴い食事の量が減りますが、飼い主にとってはじめのうちは食欲不振に感じるかもしれません。
また、猫の高齢化に伴って歯の劣化も進み、固いものが食べられなくなることもあるでしょう。
これらは自然現象なので、心配することはありません。
食事の量を減らしたり、食感が柔らかいものに変更するなど、老猫に配慮した食事を用意してあげてください。

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