猫の去勢について、様々な観点から考えてみました

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愛猫の生殖機能を人為的に奪うことへの抵抗、あるいは金銭的な理由などから、去勢・避妊手術を躊躇する人がいるようです。
しかし、手術をしないことで生じる問題点も多くあるので、さまざまな観点から検討する必要があります。

猫の去勢について

殺処分される猫を減らすために

殺処分の対象とされる犬や猫は、年間15万頭を超えると言われています。
無責任な飼い主がおもしろ半分で犬や猫を無計画に繁殖させ、引き取り手がないまま捨ててしまうというケースは残念ながら後を絶ちません。
猫は1度に多くの子猫を出産するため、生まれてくるすべての猫の引き取り手をみつけるのは容易ではないでしょう。
自分自身が生まれてくる子猫を飼うつもりでいても、経済的にも手間や時間といった面でも、思うように飼いつづけることができなくなる可能性はあります。
そういった懸念がある場合は、不幸な猫を増やさないために去勢・避妊手術を受けるべきでしょう。

病気を予防する

去勢・避妊手術では、精巣や卵巣を摘出します。
それにより、卵子や精子の生成をなくし無用な繁殖を防ぐことができます。
また、発情などを司る性ホルモンも分泌されなくなるため、性ホルモンにかかわる病気を予防することにもつながります。
乳腺腫瘍などは雌がかかりやすい病気として知られていますが、早い段階で卵巣を摘出していれば、こういった病気を発症しにくくなります。
まだ子猫のうちは病気の可能性などは考えにくいかもしれませんが、すべての猫が病気になる可能性を秘めています。
猫は交尾によって感染する猫エイズなどのリスクも高いため、重篤な病気を発症する確率を下げることは大切だと言えます。
そのため、去勢・避妊手術は猫の健康のためにも意義があると言えるのです。
また、一定期間ごとに訪れる発情期は、猫の心身に大きな影響をおよぼします。
猫が大きなストレスを感じることも多々あるので、そういった事態を避けるためにも去勢・避妊手術は必要だと言われています。

猫の去勢や避妊の手術のメリット


猫の去勢・避妊手術のメリットはいくつかあります。
ここではいくつかのメリットを紹介するので、手術を検討する際の参考にしてください。

雄猫のスプレー行為を防ぐ

去勢手術を受けていない雄猫は、繁殖行動の一環としてスプレー行為をします。
スプレー行為は雄猫特有の行動で、自分の縄張りを誇示するためにあちこちに尿をかけてマーキングするというものです。
猫の尿の臭いは非常に独特で強いので、多少の洗濯や掃除程度ではなかなか落ちません。
また、発情期になると雄猫は雌猫を求めて、外に出ようとすることが多くなります。
普段家にいる猫が外に出ると事故にあったり、そのまま戻らなくなったりすることが多くなります。
去勢手術を行うと、ほとんどの雄猫にスプレー行為が見られなくなるとともに、そういった事故を防ぐことにもつながります。

雌猫の発情行動を抑制

発情期の雌猫は、大きな独特な声を出してロードシスという体勢をとることもあります。
発情期の声は抑揚がないような遠吠えで、長時間にわたって鳴きつづける場合もあります。
ロードシスは雄猫を受け入れるための姿勢で、胸とお腹だけ床につけて後ろ足は垂直に、お尻を後ろに突き出します。
こういった行動は本能的なものですが、過度なストレスの原因になることもあります。
避妊手術を行えば、こういったストレスから解放することができます。

病気を予防する

雌猫の場合は卵巣や子宮を手術によって摘出することから、それにまつわる病気の予防につながります。
卵巣に液が蓄積して腫れるという卵胞嚢腫に代表される卵巣疾患は、卵巣をあらかじめ摘出しておくことで発症しなくなります。
子宮蓄膿症や子宮内膜炎などの子宮疾患も、発症しにくくすることができます。
雄猫の場合は、前立腺肥大などの前立腺疾患の発生を抑制するとともに、精巣腫瘍を予防することが可能です。
また、雄が去勢手術を受けると、攻撃性が少なくなって雄同士のケンカが起きにくくなります。
そのため、ケンカによって感染することが多い猫白血病ウイルス感染症や猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)などの発症リスクが少なくなります。

猫の去勢と避妊の時期


望まぬ妊娠や繁殖を避けるために、愛猫に去勢・避妊手術を受けさせたいと考える人は多くいます。
手術を行う場合、いつ頃実施するといいのでしょうか。
ここでは一般的に手術を受けるのに適した時期をあげていますが、猫種などによって性成熟の時期は異なります。
そのため、正確な時期を知りたい場合は、かかりつけの獣医師に相談する必要があるでしょう。

雌猫の避妊手術の時期

雌猫は生後1年以内に、1度目の発情期が訪れると一般的に言われています。
避妊手術は、はじめての発情を迎える前に済ませておくことが望ましいとされています。
そのため、通常は生後6~8ヶ月の間に行われます。
月齢がまだ若い間に避妊手術を行うと、体の成長に影響が及ぼされるという説もあります。
しかし、最近の研究で手術時期が月齢3ヶ月を過ぎていれば、その以降の成長になんらかの影響がおよぶことはないと報告されています。
大人の猫を迎えいれた場合は、できるだけ早く避妊手術を受けさせることが望ましいと言われています。
年齢を重ねるにつれて、子宮や卵巣に関係する病気のリスクは高まるため、発病の確率をできるだけ下げるべきというのがその理由です。

雄猫の去勢手術の時期

雄猫は雌猫と比べて、性成熟が早く訪れる傾向があるといわれています。
雄猫の去勢手術は生後6~10ヶ月の間に受けることが望ましいとされています。
国際猫医療協会では雄猫の性成熟が開始される前の生後6ヶ月以内の去勢手術が推奨されています。
雄が早い段階で去勢手術を行うと尿管の発達が損なわれるという説や、尿路結石がつまりやすくなるという説があります。
しかし科学的な根拠には乏しいため、心配する必要はないでしょう。
雄猫の場合は、去勢手術をしないとスプレー行動や攻撃性の増加などが見られるので、そういった行動が起きる前に手術を済ませることが大切となります。
雄猫の去勢手術は雌猫とちがって開腹をともなわないので、比較的簡単に済みます。

猫の去勢や避妊の手術内容


愛猫の去勢・避妊手術を検討している人にとって、どんな手術が行われるのかは非常に気になることでしょう。
ここではそれぞれの手術内容について、見ていきます。

雄猫の去勢手術

雄の去勢手術では生殖機能をもつ精巣を外科手術によって除去し、中性化します。
それによって永久的に、発情や生殖機能を抑えていきます。
去勢手術を受けさせることにしたら、希望日のおよそ1週間前から予約をとります。
医師の方針にもよりますが、前日は夕方に食事を済ませて以降は絶食するのが一般的です。
医師から特になにも言われない限りは、水は与えても問題ありません。
手術中に麻酔をして無意識になったときに、胃に未消化なものがあると嘔吐して喉につまって窒息する危険があるため、絶食は必要となります。
手術では陰嚢内に2つある精巣を、摘出していきます。
人間の男性の場合は不妊手術として精管を切るパイプカットという方法が主流ですが、動物は不妊とともに発情自体を抑えることが目的のため、こういった方法はとられません。
手術方法にもよりますが、術後7~10日後に病院で抜糸をすることが多いでしょう。
体に吸収されるタイプの糸を用いて、抜糸しなくていいこともあります。

雌猫の避妊手術

雌猫の避妊手術は全身麻酔をかけて開腹した状態で行われます。
卵巣もしくは卵巣と子宮の両方を摘出して、発情や生殖機能を抑制します。
開腹をともなうため、雄猫に比べて手術時間が長いのが特徴です。
避妊手術を受けさせることを決めたら、だいたい希望日の1週間前には予約をとります。
手術前日の過ごし方は医師の指示に従うことになりますが、夕方に食事をしてからは絶食するのが一般的です。
医師から特別な指示がなければ、水は飲んでいい場合が多いでしょう。
雌猫の避妊手術は開腹をともなうため、その後の経過観察が重要となります。
そのため、1~2日ほどは入院することになるのがほとんどです。
使用する糸の種類にもよりますが、術後7~10日後に動物病院で抜糸をするのが一般的です。

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