リキュールの歴史、製法、種類、産地、銘柄、カクテルのまとめ

公開日: : 最終更新日:2015/12/25 お酒

リキュ-ルについて

リキュ-ルとは、蒸留酒に果実やハーブといった別の材料を加えることで、その香りをスピリッツに移した後、砂糖やシロップ、着色料などを添加して調整した混成酒のことを指します。
食前酒などのように、そのままストレートで飲むこともありますが、大抵の場合はカクテルの材料や洋菓子の風味付けなどに使われています。
現在の日本においては、「リキュール」という定義は存在せず、酒税法では「リキュール類」という定義付けをされています。
具体的な定義として「酒類と糖類その他の物品(酒類を含む)を原料とした酒類でエキス分が2度以上のもの(清酒、合成焼酎、しょうちゅう、みりん、ビール、果実酒類、ウイスキー類、発泡酒、粉末酒を除く。
)」とされていて、このなかには、日本のメーカーが開発しているチューハイなども含まれているなど、日本においては非常に定義が広範囲なものとなっています。
それに対してEU諸国では、「1リットルあたりに糖分が100グラム以上含まれているアルコール飲料」をリキュールと定義付けていて、フランスではさらに細かく、「果実やハーブなどをアルコール中に煎じ、浸透させ、それぞれを調合した液体であって、砂糖などで甘味が加えられ、アルコール分15%以上のもの」と分類されています。
リキュールは、錬金術師が生命力の回復を求めて創りだした薬酒とも呼ばれており、その名前の語源も、ラテン語で「溶け込ませる」という言葉を意味する「リケファセレ」だというのが現在のところ定説となっています。


リキュ-ルの歴史について

リキュ-ルの歴史は古く、壇上したのは紀元前の古代ギリシャだといわれていて、医師のヒポクラテスがワインに薬草を溶かし込んだのが始まりだといわれています。
現在のリキュールの原型として広く作られ始めたのは、11世紀から13世紀にかけてで、当時の錬金術師たちが「生命の水」として蒸留酒をベースに薬草などを溶かし込む手法で作られました。
13世紀に入ると、ローマ教皇の主治医だったスペイン人のアルノード・ビルヌーブとラモン・リュイが、スピリッツに薬草の成分を溶かし込めば、薬酒としての効能が高まると考えて、レモンやオレンジなどの成分をスピリッツに抽出したリキュ-ルを生み出しました。
当初は、薬酒としての役割が強く、これ以降の製法は修道院に伝えられることとなり、14世紀になって黒死病がヨーロッパで蔓延したときには、薬草や香草を用いた修道院独自のリキュールが作られました。
現在のように嗜好品として扱われるようになったのは15世紀に入ってからのことで、まずはイタリア全土で人気を博すことになります。
その後、ヨーロッパ全土に瞬く間に広がっていき、最古のリキュールメーカーであるボルス社が、1575年にオランダで誕生することとなりました。
近代に入ると薬としての役割はなくなって、風味や色合いを重視したものが作られるようになり、現在ではこれまで困難だといわれていたクリームなどの動物性原料を使用した、新しいタイプのリキュ-ルも作られ始めています。

リキュ-ルの製法について

リキュ-ルの製法には、大きく分けて2つの工程があります。
1つは香味を抽出する作業で、もう1つはそれをブレンドしていく作業です。
また香味抽出にもいくつかの方法があります。
蒸留法では、ベースとなるスピリッツとともにリキュールの原料を単式蒸溜器に入れて蒸溜していき、アルコール分と一緒に植物原料の香気成分を溜出させていきます。
浸漬法には、冷浸漬と温浸漬があり、冷浸漬はベースとなるスピリッツに原料を漬け込んで、その成分と香味を抽出していきます。
温浸漬では、まず先に原料を温水に漬け込んで、熱によって溶け出す成分を抽出することができます。
果汁法では、果汁をそのままスピリッツに混ぜることで香味液を作り、エッセンス法の場合もエッセンスや香料をスピリッツにそのまま溶かし込むことで、香味液を作っていきます。
ブレンドとは、調合した香味液にスピリッツや糖類、色素や水などを加えて仕上げる工程のことを指します。
ブレンドが終わると、しばらく熟成させることで、リキュールの香味が安定するだけではなく、澱が底に沈降するため、この次に行う濾過作業がしやすくなるという利点もあります。
この場合の熟成とは、ウイスキーやブランデーといった酒類のように長期間熟成させるものではありません。
現在は、フレッシュさが人気のリキュールが多くなっているため、熟成もタンクのなかで、ごく短期間だけ行われます。
その後は溜まった澱を濾過する作業を行い、最終的に瓶詰めをしていくことになります。

リキュ-ルの種類について

リキュ-ルには、大きく分けて4つの種類があるといわれています。
1つ目は、香草や薬草系のもので、香草や薬草の他にスパイス類を主原料としています。
中世時代に薬酒としての役割を担っていたときの名残りで、「カンパリ」や「アブサン」などが有名となっています。
また、「リキュールの女王」と呼ばれるシャルトリューズも、香草系となっています。
2つ目は、果物の果肉や果皮、果汁などを主原料としたリキュールです。
製造され始めてから日が浅いですが、最近では1番出回っているタイプのリキュールとなっています穏やかな風味のものが多く、カクテルに用いられることが多くなっています。
とくに「オレンジキュラソー」は、カクテル作りに欠かせないものといえるでしょう。
3つ目は、果実の種子や豆類を用いたもので、コーヒー豆のように焙煎された材料が使われる場合もあります。
コクのある重厚な風味や、しっかりとした甘味を備えたものが多く、製菓や食後酒に使われることが多くなっています。
代表的なものとしては、「カルーア」や「アマレット」などがあります。
最後は、技術の進歩により最近になって製造されるようになったもので、クリームやヨーグルト、卵といったタンパク質や動物性脂肪分を多く含んでいるリキュールです。
卵をつかった「アドヴォカート」や、アイルランドで生まれたクリームが主体の「ベイリーズ」、また日本オリジナルの桜の花と葉を漬け込んだ「ジャポネ」などがあります。

リキュ-ルの産地について

リキュールは、世界各国で様々な定義がありますが、いわゆる混成酒で、甘味や香味成分を混ぜ合わせたお酒です。
梅酒や杏酒のような果実系、ナッツやコーヒーなどの種子系、クリームやヨーグルトといった特殊系というように分類することができます。
日本国内だけでも、各地でリキュールが生産されています。
日本では梅酒が特に有名ではないでしょうか。
産地といえば、梅の美味しい、梅が名産となっている地域になります。
徳島県の山間の吉野川市では、大きな寒暖の差といった環境で香り豊かな梅を梅干し以外に展開できないものかと、全国初の「梅酒特区」の認定を受け、梅酒を製造しています。
梅酒は、年代物が注目されやすいですが、梅の産地であることから、新鮮な梅の味や香りを提供すべく、梅の収穫時期や大きさを工夫して漬け込み製造できるところが特徴です。
果物と言えば東北、山形県では、庄内地方で40年前に売られていた日本酒の銘柄を復活させ、フルーツのリキュールブランドを確立しています。
山形の美味しいフルーツを原料としており、若い女性などに人気があります。
種類も多様にあり、すもも、さくらんぼ、ブルーベリー、赤ブドウ、ラフランス、りんご、いちご、というように非常に興味深い果物が原料として使われています。
一方、栃木県でも新鮮な果実をつかったリキュールが製造されています。
栃木県では、日本一と言われる名産のいちごが栽培されています。
いちご本来の香りと甘味や質感までを味わえる特別な製法で製造されています。

リキュ-ルの有名な銘柄について

リキュールには香草・薬草系、果実系、ナッツ・種子系、その他の種類があります。
元祖となるのは、薬でもあった香草・薬草系のリキュールです。
近年、食品の加工技術の向上に伴って、従来の枠にはまらない特殊なタイプも数多く出現しています。
香草・薬草・スパイスを主原料とするものには、中世に薬としての役目を担っていた修道院系のリキュールも含まれます。
香草・薬草系には、「リキュールの女王」とも呼ばれるシャルトリューズをはじめ、アブサン、カンパリなどがあります。
果実系は、果実の果肉・果皮・果汁が主原料で、歴史は浅いものの近代では製造量や種類は最も多いです。
薬よりは嗜好品としての要素が強く、カクテルやお菓子作りによく利用されます。
風味が穏やかで親しみやすく、ストレートやソーダ割りなど、手軽に楽しむことができます。
果実系には、クレーム・ド・カシス、グラン・マルニエ、コアントローなどがあります。
ナッツ・種子系には種子や豆類が用いられ、コーヒー豆のように焙煎された材料が使われるものもあります。
重厚な風味と甘味を備えたものが多く、お菓子作りや食後酒に向いています。
ナッツ・種子系には、アマレット、カルーア、ヘーゼルナッツなどがあります。
その他は、技術の発達に伴い製造されるようになったもので、タンパク質や脂肪分を多く含む材料が使われています。
クリーム系のベイリーズ・オリジナル・アイリッシュ・クリーム、ヨーグルトのフレーバーを持つヨーグリート、卵黄を使ったアドヴォカートなどがあります。

リキュ-ルのカクテルについて

リキュールは、蒸留酒に副材料を加えて風味を調整している混成酒です。
副材料として使用されるものとしては果実やナッツ、種子、スパイス、ハーブなどがあり、それに砂糖やシロップ、着色料を加えているものが多くなっています。
このリキュールには多くの種類がありますから、これをベースにして別の種類のお酒やジュースなどを混ぜてカクテルにすると、その数はさらに無限大になります。
リキュール自体、砂糖やシロップなどが添加されていて甘いものが多いため、リキュールを使ったカクテルは甘くて飲みやすいものが多く、女性にも人気です。
また、作り方によっても違いを楽しむことができます。
たとえば、シェイカーに氷と材料を入れて振って混ぜる作り方は、もっとも知られている方法ではないでしょうか。
牛乳などのように比重が重くて混ざりにくいものは、シェイカーを使うと口当たりも良く仕上がります。
アルコールが苦手な人も、シェイカーで仕上げるとマイルドに仕上がりますからおすすめです。
また、ミキサーを使って材料とクラッシュアイスを混ぜ、フローズンタイプのカクテルを作るという方法もあります。
比重の違うカクテルをそれぞれ静かに注ぎ入れ、グラスの中にきれいな層を作るという方法もあります。
リキュールを使ったカクテルには甘いものが多いため、スイーツとして食後にデザートの代わりに飲むことも風流です。
楽しみ方がさまざまですから、どのような場面にも合うお酒であるということができるでしょう。


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