ワインとぶどうの品種について、それぞれの特徴とは・・・

公開日: : 最終更新日:2015/12/25 お酒, ワイン

ワインとぶどうの品種について

ワインの原料である葡萄ですが、ワインの味はその品種によって大きく異なってきます。
日本国内で生産される葡萄は、その約80%が生食用とされていますが、世界に目を向けてみると、収穫されるおよそ75%がワインに用いられているのです。
一般的に、葡萄の栽培には水はけの良い、根がしっかりと成長できる通気性に優れた土壌が良いとされており、土壌の作りによって同じ品種の葡萄であっても製造されるワインの質は大きく変わってきます。
他の作物と同じように、栽培される地域によって、合う品種と適さない品種とがあります。
葡萄には主にヨーロッパ系とアメリカ系の2種類があり、ワイン用として使用されるのはヨーロッパ系のものがほとんどで、アメリカ系ではデラウェアやキャンベルなど生食用に栽培されている品種が多いです。
つまり、世界中で栽培されている葡萄の8割近くがヨーロッパ系と言え、生食用の葡萄よりも比較的糖度と酸度が高く、粒が小さめなのが特徴となっています。
小粒がゆえに、皮と種の割合が高くなりますが、香味成分はこれらの部分に多いので、芳香豊かなワインに仕上がります。
代表的な品種には、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、ビノ・ノワールなどの赤ワイン用と、ソーヴィニョン・ブラン、シャルドネ、セミヨンなどの白ワイン用などがありますが、その品種の数は全体では5000種類以上と言われています。
全てのワインのラベルに詳しい品種名が記載されているというわけではないので、このような品種や地域の特徴を知っておくことで、ワイン選びに失敗することがなかったり、よりワインを楽しむことができるでしょう。


カベルネ・ソーヴィニヨンについて

「カベルネ・ソーヴィニヨン」は、世界で最も多く栽培されている黒葡萄品種の一つです。
赤ワインに用いられている中でも代表的な高級品種で、世界的にも多くの銘醸赤ワインを誕生させています。
その栽培面積は、全世界で約15万ヘクタール近くにもなりますが、最近は、熟成期間の短いメルロー人気が高まり、カリフォルニアから南フランス、ボルドーでもメルローへと徐々に植え替えが行われ始めているようです。
カベルネ・ソーヴィニヨンの実は、小粒で皮は厚く、房自体は大きくありませんが、果汁が多い割には引き締まった果肉が特徴です。
その香りは、赤ワインの中でも穏やかな方で、ブルゴーニュ・ワインと比較してもやや内向的な性質を持っています。
しかし、若いうちは果皮が鮮やかな濃いルビー色で、タンニンを豊富に含んでおり、絶妙な酸味と渋味のバランスで、芳醇な香りと力強さを醸し出します。
また、酸味の量によっては刺激的な味わいを堪能することができます。
長い熟成期間を経た後は、濃いルビー色から赤茶色に変化し、驚くほど非常にまろやかでふくらみのある味わいへと変わります。
カベルネ・ソーヴィニヨンは、同じ品種であっても、このような劇的な変化を楽しむことができるのも大きな魅力と言えるでしょう。
ワイン選びで失敗したくないと場合は、カベルネ・ソーヴィニヨンの名前があるものをチョイスしておけば、とりあえず安心できるとも言われているほど、味わいへの期待を裏切らないワインとして評価されています。

ピノ・ノワールについて

「ピノ・ノワール」は、フランスのブルゴーニュ地方を代表する、赤ワイン用の葡萄品種です。
カベルネ・ソーヴィニヨンが暖かい気候や土地を好むのとは反対に、ピノ・ノワールは涼しい気候を好むとされています。
と言うのも、ピノ・ノワールはそもそも早熟タイプの品種なので、温暖なところで栽培されると、急激に熟成してしまうことで香りが損なわれることがあるのです。
また、他の品種とブレンドされて醸造されることが少なく、単一品種で造られることから、その土地の特徴や畑の質によって味が左右されます。
二大品種として比較されるカルベネ・ソーヴィニョンとは対照的で、いつでも期待した味を楽しめるというような安心感はなく、原料となる葡萄の出来そのものがワインに現れるのです。
このように、ピノ・ノワールは非常に繊細で複雑な性質を持っているので、細心の注意を払って造らなければならない、気難しい葡萄品種の一つとも言えるでしょう。
その分、繊細でふくらみのある魅力的な赤ワインになるとされています。
若いうちは、酸が多く含まれており、色はカベルネ・ソーヴィニヨンよりも明るく、木苺やベリー系の華やかな香りを堪能することができ、熟成を経ると、スパイシーで官能的な味わいを楽しめます。
ピノ・ノワールは、長い間、ブルゴーニュ地方以外では栽培が困難とされていましたが、最近では、カリフォルニアやチリ、ニュージーランド、イタリアなど世界中で栽培されており、各地で個性を持ったピノ・ノワールが誕生しています。

ジンファンデルについて

「ジンファンデル」は、カリフォルニア特有の葡萄品種として知られています。
最近では、カリフォルニア大学のDNA鑑定によって、イタリア南部産の「プリミティーヴォ」と同じ品種であることが明らかになりました。
また、クロアチア産の「ツールイェナック」とも同一品種であることも判明しましたが、ジンファンデル、プリミティーヴォ、ツールイェナックが100%完全な同一種であるということではないようです。
DNAの構造は一緒でも、栽培法や醸造技術の違い、またはクローンの違いなどが存在するため、それぞれ違った個性を持つワインが誕生するというわけです。
ジンファンデルは、温暖な気候を好みますが、どんな土壌に対しても比較的対応でき、特に水はけの優れた土壌では素晴らしい葡萄が作られます。
ただし、水分の多過ぎるところでは、大味で風味のない葡萄となってしまいます。
発芽や開花時期が早いので、霜の影響を受けたり、薄い果皮のせいでカビが発生しやすかったり、また、粒が不均一に成熟してしまうなど、栽培が難しい品種であるとも言われています。
つまり、糖と酸味、風味がベストな状態を見極め、収穫時期をいつにするかを決定することが、ワインの出来・不出来に直結します。
ジンファンデルは、収穫が早い、早飲みタイプのフレッシュなホワイト・ジンファンデルから、フルーティでアロマティックな都会的で洗練されたタイプ、樽の中でしっかり熟成させた重厚なタイプまで、多様なスタイルを持つワインに仕上がるのが最大の魅力です。
品種そのものが持つ可能性を幅広く発揮できる希少な品種とも言えるでしょう。

シャルドネについて

シャルドネは、ワイン好きの方ならご存知、白葡萄の王道品種です。
涼しい気候のシャンパーニュ地方から、暖かいオーストラリアまでと、非常に適応能力の高い品種として知られています。
シャルドネの粒は、黄褐色で球状から若干楕円形をしており、果皮は薄く、果肉は固めなのが特徴です。
しかし、発芽が早いため、春先の霜の害を受けやすいのが弱点でもあります。
また、シャルドネは、クセや主張が少なく、個性に乏しい品種とも言われています。
しかし、個性が無いに等しいとされているにも関わらず、世界中で多くの人に愛されているのは、味わいとしての骨格が確かなものであるためです。
例えて言うなら「白いご飯」のようであり、毎日でも飽きない、主軸としてのぶれの無さが、シャルドネの本質を表現していると言えるでしょう。
さらに、強い個性が無いのは、品種そのものの個性よりも、栽培地域の気候や土壌、あるいは醸造製法や技術といった、造り手の個性が現れやすいとされています。
涼しい地域で作られたシャルドネは、清涼感漂うハーブの味わいと風味を 持つとされていますが、暖かい地域のものでは、南国フルーツの風味を醸し出します。
また、ステンレス・タンクで醸造されたものは、切れ味の良さが際立ち、爽快な感じのタイプに仕上がりますが、樽醸造では、樹のアロマが漂う、丸みを持ったタイプになります。
これらの好みは、シャルドネファンの間でも様々のようですが、これほど産地や造り手の個性を楽しむのに最適な品種はあまりないかもしれません。

リースリングについて

リースリングは、ドイツを代表する高級白葡萄の品種として知られています。
冷涼な場所を好み、耐寒性に優れた品種であり、ドイツをはじめ、現在はフランス、オーストラリア、ニュージーランドなど世界中で栽培されています。
リースリングの粒は、球状でやや小さく、皮は厚めで、薄い緑色からゴールドカラーをしていますが、熟成すると赤褐色の斑点が付いてきます。
土壌への適応力は幅広いものですが、中でも冷涼な気候と痩せた土壌では、リースリングの持ち味を最大限に発揮することができると言われています。
それ以外の場所で作られる多くは、リースリングの良さが発揮されず、水っぽく、締まりのない甘さだけが残るものになってしまい、それゆえ、シャルドネほどの地位を確立できないとも揶揄されています。
また、一昔前は、リースリングと言えば、ドイツ産の糖度が高いものが有名で、健康に良くないということから人気は低いものでした。
しかし、実際は、甘口、辛口いずれのワインも醸造できるオールマイティな品種であり、最近は、その魅力が見直され始めています。
若いうちは、柑橘系の果物と白い花の香りが漂い、切れのあるタイプのワインに仕上がります。
果汁は酸味が豊かなので、長期熟成を経た後は、品質がさらに高まり、石油香や金属香のようなボリュームのある複雑な香りが特徴です。
リースリングは、味、香りともに気品が漂い、絶妙な酸味とアルコールのバランスを堪能できます。
スッキリとした辛口タイプのものから、甘いデザートワインのタイプのものまで非常に幅が広く、そのため、料理との相性も幅広いのも魅力の一つと言えるでしょう。

ソーヴィニヨン・ブランについて

「ソーヴィニヨン・ブラン」は、フランスのボルドー地方やロワール地方を代表する白葡萄品種で、カベルネ・ソーヴィニヨンを親株に持ちます。
最近では、世界中の冷涼な気候の地域で栽培されており、世界第5位の栽培面積を誇るほどの人気です。
ソーヴィニヨン・ブランの粒は小さく、成熟すると黄金色になり、食べるとマスカットのような風味を感じるのが特徴でもあります。
また、熟していない時期と、熟成を経た時期とでは、味わいが大きく違い、多彩な表情を持つワインを生む出すのも魅力の一つです。
未熟な時は、若々しい青草を思わせるハーブのような独特の香りを感じますが、熟すと青臭さが抜け、まるでトロピカルフルーツのような風味を堪能することができます。
個性溢れる香りと、心地良い苦味が多くのワインファンを惹きつけており、芳醇な香りが特徴のニュージーランド産、フルーティーな味わいのイタリア産、フレッシュで青さを感じることができるチリ産やカリフォルニア産など、国ごとに異なるを楽しめるでしょう。
特にニュージーランドは、ソーヴィニヨン・ブランの栽培に積極的に取り組んでおり、その特徴的でもある香りをうまく引き出したワイン製造で成果をあげています。
一般的に、ソーヴィニヨン・ブランは独特の香りが個性でもありますが、風味に深みが乏しく、単一品種でワインを製造されることは珍しいようです。
そのため、ワインとしてしっかりとした骨格を持っている葡萄品種に対し、香りや酸味を加えたいという場合にブレンドされることが品種となっています。


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