ビールの歴史、製法、種類、産地、銘柄、カクテルのまとめ

公開日: : 最終更新日:2015/12/25 お酒

ビールについて

夏が来ると、ビールがおいしい季節になったとよくいわれます。
もちろん夏だけでなく、一年中ビールを飲んでいるという人もいるでしょう。
飲み会のときなどには、まず最初の一杯がビールから始まるということも多くあります。
さて、ビールとはいったい何でできているのでしょうか。
ビールは、麦芽から作られている醸造酒です。
アルコール度数は3%から9%程度ですから、あまり高くはありません。
歴史を考えてもかなり古くから存在しているということがわかっていて、最古の記録は紀元前3500年から紀元前4000年頃のメソポタミアにおいて、シュメール人の粘土板に残されています。
おもな原料は水や麦芽、ビール酵母、ホップです。
独特な苦味を出しているのは、原料であるホップです。
ホップの苦味成分が雑菌の繁殖を防いで、苦味と泡を安定させています。
また、ビールは缶や生、瓶といったいろいろな容器によっても趣が異なります。
生を飲むときには、ジョッキに注いで飲むことがおすすめです。
飲み会などで居酒屋へ行くときには、このかたちで出されることが多くなっています。
瓶の場合ですと、タンブラーに注ぐと良いでしょう。
瓶ならではの新鮮な香りを楽しむことができます。
もっとも手軽に飲むことができるのは缶であり、缶のふたを開けてそのまま飲むだけです。
大別すると上面発酵のエール、下面発酵のラガー、自然発酵という3種類になりますが、さらに区分けすると85種類にもなります。


ビールの歴史について

ビールのルーツをひもといていくとその歴史は古く、世に生まれたのは紀元前4000年頃になるといわれています。
その土地はメソポタミアであり、人類が農耕生活を始めた当時の話です。
人々は収穫した麦を粉にして、加熱してお粥などにして食べていました。
残って干してあった麦のお粥に偶然に酵母が入り込み、自然に発酵したものが起源であるといいます。
記録としてもっとも古いものは紀元前3000年であり、メソポタミアのシュメール人が残した粘土の板碑に、ビールの作り方が紹介されて残っているのです。
その当時には、生水よりも安全で栄養価が高い飲み物として、重宝されていたようです。
中世のヨーロッパにおいてビールは「液体のパン」、パンは「キリストの肉」であると考えられていて、修道士の間でビール作りが行われるようになりました。
作られたものは人気が出て醸造量も増え、一般の人々も飲むようになり、民間でも作られるようになっていきました。
19世紀になると、バスツールが低温加熱殺菌法を発明したことで、長期保存をすることができるようになりました。
さらにリンデが冷却機を発明したことによって、下面発酵ビールが作られるようになりました。
デンマークではハンゼンが酵母の純粋培養法を確立し、すっきりしたビールが作られるようになっていきます。
日本ではじめてビールが紹介されたのは、18世紀後半です。
鎖国していた時期に西洋文化が伝えられる唯一の窓口であったオランダから、入ってきました。

ビールの製法について

ビールは大麦から作られているものであり、まずは大麦を発芽させるところから始まります。
大麦を水につけて、芽が出てきてから水から出して、4日から一週間ほどはそのまま置いておきます。
芽の長さが身体の長さほどになったところで成長を止め、麦芽を高温で乾燥させます。
その温度によって、できあがりの色も変わることになります。
温度を高くすれば、それだけ濃いものができあがります。
次に、乾燥した麦芽を粉末にして、50℃ぐらいのお湯につけてろ過します。
ろ過した汁は、麦汁と呼ばれます。
麦汁を50℃に温めて1時間ほど置いておいて蛋白を分解させてから、67℃まで温めてさらに1時間ほど待ちます。
そこでアミラーゼという酵素によってデンプンが糖に変われば、温度をさらに78℃にまで上げてアミラーゼの動きを止めます。
そのあと、100℃の高温で煮沸してから、特有の苦味成分であるホップを入れます。
ホップの力によって苦味を引き出し、蛋白を固まらせて取り除きます。
そして、香り成分であるアロマホップを入れます。
仕込みの時間としては、1日程度がかかります。
それから1次発酵が行われ、麦汁を発酵タンクに移して酵母を入れます。
半日も経てば酵母が繁殖し、一週間もすればクリーム状の泡に覆われます。
1次発酵後に温度を下げると酵母の活動も止まりますが、ここでラガー酵母については沈み、エール酵母については浮かびます。
2次発酵は、熟成期間となります。
十分に熟成させてから低温殺菌をして、ついにできあがります。

ビールの種類について

世界各国には沢山の種類のビールがあります。
まず、醸造方法の違いによって「エール」、「ラガー」、「自然発酵」という3つに大きく分類されます。
エールは、20℃以上のやや高温で短時間に発酵させたもので、発酵中に酵母が浮き上がるため「上面発酵」とも呼ばれます。
イギリスのペ-ルエ-ルやブラウンエールなど名前に「エール」の付く種類のほか、スタウト、ポーター、ドイツのヴァイツェンやケルシュやアルト、ベルギーのトラピストなどがこのタイプです。
ラガーは10℃以下のやや低温で長時間に発酵させたもので、発酵の終わり頃に酵母が下に沈むため「下面発酵」とも呼ばれます。
名前に「ラガー」の付く種類のほか、ドイツのデュンケル、チェコ発祥で世界で最も飲まれているピルスナーなどがこのタイプです。
自然発酵は、20℃以上のやや高温で、酵母を接種することなく、空気中の微生物を利用して発酵させるタイプです。
ベルギーのランビック、アフリカ各国のビールが自然発酵で醸造されます。
次に、ヨーロッパの生産国を幾つか見てみると、主流はラガーのピルスナーですが他は国ごとに違いがあります。
ベルギーではエールのトラピストや自然発酵のランビックの種類が群を抜いており、日本でも人気を博しています。
ドイツではアルト、ケルシュ、ヴァイツェンなどのエールが多数造られ、ラガーのデュンケルも人気です。
イギリスではペールエールやブラウンエールが有名ですが、アイルランドでは自国発祥のスタウトが好まれます。

ビールの産地について

ビールは日本だけでも数多くの種類がありますが、世界各地で生産されています。
生産量の多い国は上位から中国、アメリカ、ロシア、ドイツ、ブラジル、メキシコ、日本、イギリス、ポーランド、スペインという順になっています。
中国では人口が多いということもありますが、20世紀初頭にロシア人が工場を設立したことが始まりとなっています。
現在有名なのは青島、華潤雪花であり、サントリーやアサヒなどといった中国国外のメーカーも多く進出しています。
アメリカにおいては西海岸を中心としてクラフト、マイクロブリューワリーという小醸造所が多くあり、ビアスタイルの数も世界有数になっています。
ドイツでは、ラガーがほとんどです。
新しいものは秋のはじめ頃に出荷されて、同時に各地でビール祭りが開催されます。
ミュンヘンのオクトーバー・フェストは、もっとも大規模で有名なものです。
ドイツには各地にメーカーがあり価格も安く、地ビールはコーラと比べても価格が安いほどです。
ベルギーは、世界でもっとも多くの種類を醸造しているということができるでしょう。
もっとも有名なものはヒューガルデンホワイトと呼ばれる白ビールであり、俗に「ブランシュ」と呼ばれています。
ドイツでも白ビール、いわゆるヴァイスビア、ヴァイツェンと呼ばれるものはありますが、これはまったくの別物であり、小麦を原料としているものです。
生産量ではなく種類やこだわりといったことに注目すると、ドイツやベルギーが世界有数の産地であるということもできるでしょう。

ビールの有名な銘柄について

日本国内のビールとしては、大手の4社が有名です。
サッポロビールというと「黒ラベル」のほか、「エビスビール」が有名です。
明治23年から販売されていて長い歴史を持つ商品であり、昨今の主流となっている「プレミアム」のさきがけであるともいうことができます。
東京の恵比寿はまさに、この商品名からつけられたともいわれています。
100%の麦芽が使用されていて、通常よりも長い時間をかけて熟成することで、コクのある味わいが引き出されています。
単純な技術だけでなく、100年以上という時間の積み重ねも、おいしさを引き出しているのです。
キリンビールといえば、何といっても定番の「一番搾り」でしょう。
麦汁を濾過する工程において自然に流れ出る一番麦汁だけが使用されていて、タンニンが抑えられて低温で時間をかけて発酵させることによって、さっぱりとして飲みやすい仕上がりになっています。
「第44回モンドセレクション」では日本の製品としてはじめて最高金賞を受賞し、第45回モンドセレクションでも2年連続となる栄冠を得たのは、サントリーの「ザ・プレミアムモルツ」です。
原料にこだわり、水も100%の天然水が使用されています。
熟成にも時間がかけられていますから、味わい深い中に飲みやすさもあります。
1987年に日本ではじめて辛口のビールとして発売され、そのままアサヒビールの定番商品となった「スーパードライ」は、洗練されたクリアな味を追求すべく酵母から原材料、製法に至るまで、厳密な基準が設けられています。

ビールのカクテルについて

近年は、若い世代で「ビール離れ」が進んでいるとして話題になっています。
全国において20歳から69歳の1,300人の男女を対象としてビールについての調査が行われたところ、実際に若い世代、特に20代の女性は半数が「非ビール派」であるとわかっています。
それによると、お酒を飲んでいる人たちに自宅や飲食店などでビール類を飲んでいるかどうかについて質問したところ、そのうち「飲まない」と答えた人が24.8%で、内訳は「あまり飲まない」とした人が12.3%、「ほとんど飲まない」とした人が11.6%、「飲んだことがない」とした人が0.9%でした。
その理由はほかに好きなお酒がある、苦いから、おいしくないからというものが多くなっています。
ただ、ビールを使ったカクテルを飲んでみたいかどうかという質問に対しては、39.2%が飲みたいという回答をしています。
その傾向は特に30代の女性で多く56.8%、半数以上のおよそ6割になる人が飲みたいとしました。
その結果を裏づけるように、果汁やジュースをミックスしたり、甘いリキュールや炭酸飲料を混ぜたりしてオリジナルの「ビアカクテル」を飲んでいるという人たちが、若い世代を中心として増えていることもわかっています。
各メーカーでもビールの挽回を目指している中で、ビアカクテルには注目しています。
ジュースや果汁などで割るといった提案も行われていて、グラスの中で二層に分かれた見た目を楽しむことができる「ツートン生」というものも展開されています。

ビールの泡についてについて

ビールのおいしさは、泡で決まるとまでいわれています。
確かにビールの泡は特徴的なものであり、見た目の上でも口当たりの上でも重要な役割を果たしています。
いろいろな分析もなされていて見た目が美しい、飲んでおいしいというものは、グラスにおける泡の比率がおよそ30%になっているものであるとされています。
グラスに対して「7:3」というものであり、これは「黄金比率」と呼ばれています。
きめの細かい泡は泡持ちも良く、内部の香りや炭酸ガスを逃がさないような「ふた」としての役割を果たしています。
おいしい泡の条件は泡立ち、泡持ち、泡の付着が良いことです。
ビールの泡はタンパク質の泡タンパクや炭水化物、ポリフェノール、ホップの苦味物質であるイソフムロンなどによってできているものです。
これらの成分は見た目としての泡を形作っているというだけでなく、芳醇な味にするためにも大切な成分のひとつになっています。
ただ、イソフムロンなどを含んでいることから、液体の部分に比べると苦くなっています。
泡が「ふた」として機能していることによって、ビールがグラスへ注がれたときには炭酸ガスやホップ、酵母からもたらされる香りの発散、空気と接触することによる酸化が防がれます。
おいしさを保つ上でも、一役買っているのです。
また、泡を見るとビールの状態もわかります。
一般的に勢い良く注ぐと泡があふれんばかりになるのですが、静かに注いでも泡ばかりになる場合はビールがぬるいか、振動が加わっている可能性もあります。
逆に泡立たない場合には、冷やしすぎていることが考えられます。


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