焼酎の種類 | 原料別特徴や飲み口などのご紹介

公開日: : 最終更新日:2015/12/25 お酒, 焼酎

麦焼酎について

『麦焼酎』とは、ビールやウイスキーと同じ原料である「大粒大麦(だいりゅうおおむぎ)」から作られる焼酎のこと。
この大粒大麦は「二条大麦」と呼ばれることもあります。
一般的に米焼酎などと比べてクセがなく、飲みやすいと言われている焼酎です。
そのルーツをたどると、長崎県の壱岐で作られたのが最初のようで、ここで醸造されている麦焼酎のことは特に「壱岐焼酎」と呼ばれています。
今でこそ麦焼酎は焼酎の中でもメジャーなものになりましたが、1960年代まではあまり飲まれてはいませんでした。
ところが、東京農業大学の名誉教授となった柳田藤治が開発した、イオン交換濾過法を麦焼酎へ応用する手法というものを、柳田教授の親戚に当たる柳田酒造が実際の焼酎造りに使うようになり、それをキッカケとして多くの麦焼酎メーカーがこの方法を導入するようになりました。
それ以降、麦焼酎が日本全国で注目を浴びるようになり、現在へとつながっています。
また、その後は大分県でも麦焼酎の生産が盛んになってきたため、今では麦焼酎の一大産地として知られています。
最初にもお話した通り、麦焼酎の原料はビールやウイスキーと同じなのですが、製法の違いによって、それぞれの味わいが出てきます。
とはいえ、焼酎の中でもクセが少なくサッパリしていて、香りや香ばしさ、それに甘みもあって飲みやすいのが麦焼酎ですから、どことなく洋酒に近い風味を感じる方もいらっしゃるかも知れませんね。


芋焼酎について

『芋焼酎』とは、主に「さつま芋」と「米こうじ」を原料に作られている焼酎で、最近は「芋こうじ」を使った”さつま芋100%”の焼酎も出てきています。
芋焼酎の発祥は現在の鹿児島県で、シラス台地のために稲作に向かない土地があったために、さかんにさつま芋づくりが行われていたようです。
江戸時代から、鹿児島でも焼酎造りは行われていたのですが、米は年貢として収めなくてはいけませんし高価なものですから、そうそう焼酎造りに使うわけにもいきません。
そこで、さつま芋を使った焼酎造りが考えだされたといわれています。
芋焼酎といえば、濃厚な味わいと、独特なにおいが特徴的ですが、そのために好き嫌いはハッキリと分かれやすいところでしょう。
ただ、最近では鮮度の良いさつま芋だけを厳選して材料とし、臭みの元になる部分を切り落としてから焼酎にするなどの工夫も取り入れられるようになって、より多くの人に好まれるようなものも増えてきています。
また新しいところでは、焼き芋を原料とした「焼き芋焼酎」というものも登場してきています。
これは、鳴門金時で知られる徳島県や宮崎県、それに鹿児島県で作られているもので、焼き芋ならではの甘い香りが特徴で、従来の芋焼酎とは、大きく印象が変わるものといえるでしょう。
これらの新種の芋焼酎が増えてきたことで、以前ならにおいが苦手で飲めなかったという人や女性にも、広く受け入れられるようになってきているようです。

米焼酎について

『米焼酎』とは、日本酒と同じように米を原料とした焼酎で、やや濃厚な味が特徴です。
主要な生産地は、熊本県南部の人吉盆地とされていて、この地域が”球磨地方”と呼ばれることから、人吉盆地で生産される米焼酎のことを特に「球磨焼酎」ということもあります。
ちなみに、この球磨焼酎は、世界貿易機関のTRIPS協定に基づいて、産地表示の保護指定を受けています。
一般的に焼酎といえばクセの強い酒として知られていますが、米焼酎の場合は香りや味わいが日本酒に近くフルーティですので、比較的初心者にもなじみやすい焼酎といえるでしょう。
日本酒に似ているというところから、刺身などの繊細な味わいの日本料理にもよく合うことも米焼酎の特徴の一つです。
米が原料ですので、現在では球磨地方だけでなく、米の生産地であり日本酒の名産地でもある秋田県や新潟県などでも米焼酎は作られています。
実際に、日本全国の清酒メーカーから数多くの米焼酎が販売され、人気の銘柄もありますので、それらを飲み比べてみるのも面白いですね。
また、米を原料としているということでは、沖縄の「泡盛」も米焼酎の一種ということができます。
おおまかにいえば、米と白麹を原料にしているのが、いわゆる米焼酎で、米と黒麹を原料にしているのが泡盛ということになるでしょう。
同じ米を原料にしていても、生産地や製造法でかなりバリエーションに富んだ味わいの焼酎が作られていますから、やはり米というのは奥の深い材料といえるのかも知れません。

蕎麦(そば)焼酎について

『蕎麦(そば)焼酎』とは、主に「ダッタンソバ」という種類のソバを原料として作られている焼酎のことです。
他の焼酎と比べるとずいぶん新しいもので、1973年に宮崎県で開発されました。
これは、宮崎県の五ヶ瀬地方の特産品がソバだったために、これを原料として雲海酒造(当時は五ヶ瀬酒造)が新しく作り出したものです。
当初は宮崎県周辺でしか知られていませんでしたが、1976年から雲海酒造が販路を拡大して全国的に知られるようになり、その後は長野県や北海道などの、ソバの栽培が盛んなところでも作られるようになっていきます。
蕎麦焼酎の特徴は、軽い味わいでクセが少ないところでしょう。
とても飲みやすい焼酎ですから、多くの人に好まれていますが、原料がソバだけに、そばアレルギーがある人は飲めませんので注意が必要です。
蕎麦焼酎はソバが原料ではあるのですが、ソバだけで作ることは難しいため、米などの他の原料と混ぜたうえで製造が行われているものが大半です。
また、麹は主に「米こうじ」が使われていますが、中には「麦こうじ」を使った蕎麦焼酎もあるようです。
しかし、その一方で完全な「蕎麦こうじ」というものも作られ、ソバ100%という焼酎も登場しています。
他の原料の味が混ざらないということで、蕎麦好きの人には大変好まれる味わいのようです。
蕎麦焼酎は歴史自体も新しいですから、今後もいろいろな工夫が施され、新種のものが出てくる可能性もあるでしょう。

黒糖焼酎について

『黒糖焼酎』は、その名の通り黒砂糖を原料とした焼酎で、口当たりが柔らかく癖が少ない味わいが特徴となっています。
現在では、奄美大島、徳之島、沖永良部島、喜界島、与論島といった「奄美群島」でしか生産が許されていませんので、奄美群島を代表する特産物といえるでしょう。
元々、奄美群島では米を原料とした「泡盛」が盛んに作られていました。
これは江戸時代から第二次世界大戦頃まで続くのですが、戦時中や戦後になると米が不足し、泡盛の生産が困難になってしまいます。
その一方で、奄美群島の特産品であった「黒砂糖」は余剰気味になっていきました。
これは奄美群島がアメリカに占領されていたために、日本国内に黒砂糖を移出できなかったことも関係しているようです。
そこで、余剰気味になっている黒砂糖を有効利用しようとして作られたのが、黒糖焼酎のルーツにあたる「黒糖酒」だったのです。
ただ、この黒糖酒は”こうじ”を使うのではなく、蒸留して作られていたものだったため焼酎とは認められずリキュール類とみなされ、税率が高くなっていました。
当時はまだ戦後の復興時でもあり、経済的な負担も大きかったために、島民たちは黒糖酒を焼酎として扱われることを政府に要求したのです。
そこで政府は、”こうじ”を使うことを条件に、奄美群島だけで黒糖焼酎を作ることを特例として認めたということです。
そのため、現在でも奄美群島以外の場所では、黒糖焼酎を作ることはできません。

泡盛について

『泡盛』とは、琉球諸島産の蒸留酒のことで、通常の焼酎は「白麹菌」を使って作られるの対し、泡盛は「黒麹菌」を使って作られています。
原料は米なのですが、主にはタイ産の「インディカ米」が用いられています。
蒸留の際に泡が盛り上がる様子を見てアルコール度数を測っていたことから、『泡盛』という名がついたという説が有力なようです。
泡盛は蒸留酒ですから、ウイスキーやブランデーなどと同じように、長期間貯蔵することで熟成していきます。
ただ、泡盛の場合は瓶に詰めたままでも熟成が続くという特徴を持っていて、これが他の蒸留酒とは大きく違うところと言えるでしょう。
特に、3年以上貯蔵したものはクース(古酒)と呼ばれ、芳醇でまろやかな味わいと上品な香りは古くから多くの人々に愛されてきたといわれています。
琉球王朝の時代には、200年物や300年物のクースも存在したといいますが、それらは沖縄戦で全て失われてしまいました。
現在は、首里の識名酒造に150年もののクースが貯蔵されていますが、これは販売されることはないようです。
最近の研究によると、泡盛には血栓を溶かす酵素がワインの約1.5倍と豊富に含まれていて、動脈硬化や心筋梗塞の予防に効果があるといわれています。
もちろん、飲み過ぎてはいけませんが、沖縄に長寿の人が多いことを見てみても、適量であれば泡盛に健康効果があることは確かなようですね。
飲み方も、ストレートやオンザロックはもちろん、水割りやソーダ割りなど様々な味わい方ができますので、程よい量を楽しむことはオススメといえるでしょう。

粕取焼酎について

『粕取焼酎』とは、日本酒の酒粕を蒸留して作られる焼酎のこと。
一般的な焼酎とは製法が異なることもあり、あまり広くは知られていない焼酎といえるでしょう。
ですが、粕取焼酎は多少のクセはあるものの、独特な風味があり、九州北部や島根県、鳥取県などで愛されてきました。
しかし、第二次世界大戦後の日本では酒が不足し、社会が混乱していたこともあって粗悪な密造焼酎が世の中に出回っていました。
これらは原料も出どころもまったく不明な上、人体に有害なメチルアルコールを薄めたものまであったといいます。
そして、これらの密造焼酎のことは、俗に「カストリ」と呼ばれるようになったのです。
もちろん「粕取焼酎」と「カストリ」はまったく別のものなのですが、その名前のために粕取焼酎にも悪いイメージが定着し、需要が低迷してしまいました。
そこには、粕取焼酎独特のクセや香りが時代の流れと合わなかったという面もあったのでしょうが、結果としては粕取焼酎の製造から撤退してしまう蔵が多く出てきたようです。
ですが、最近の焼酎ブームも手伝って、再び粕取焼酎の製造を始める日本酒製造メーカーも増えてきました。
粕取焼酎は昔から、砂糖や蜂蜜など甘味料を入れて飲むという方法が親しまれてきました。
氷砂糖を入れて飲むのも、独特の味わいがあって美味しいようです。
また、梅酒を粕取焼酎で漬け込むという方法もあるのですが、これを絶品と賞賛する人も多いので、ぜひ一度試していただきたいと思います。


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