仏教各宗派の成立ちや特長についてまとめました

公開日: : 最終更新日:2015/08/12 葬儀.仏事

浄土真宗本願寺派

浄土真宗本願寺派は、阿弥陀如来の本願を信じてただひたすら念仏を唱えていれば浄土に往生するというように、徹底的な他力本願の教えです。
経典は無量寿経、観無量寿経、阿弥陀経です。
仏壇にはご本尊として阿弥陀如来を真ん中に祀り、脇掛として十字名号か親鸞上人を意味する帰命尽十方無碍光如来を向かって右側に、九字名号か蓮如上人を意味する南無不可思議光如来を左側に祀ります。
仏具は五具足として外側から花瓶を一対、ろうそく立てを一対、真ん中に香炉を前卓の上に飾ります。
五具足を飾るのは報恩講、年忌、新年、お盆などといった改まったときであり、普段はろうそく立て、御仏器、花瓶という三具足を飾ります。
そのほかの仏具としては仏壇の上壇の上机に花瓶一対、御仏飯、御面灯(ろうそく立て)、火舎香炉という四具足を飾ります。
この花瓶には色花をささず、樒などといった青木ものをさします。
輪灯は、西本願寺型のものを使います。
普段は使いませんが、特別の仏事があるときには三角形の打敷を用います。
浄土真宗本願寺派の仏壇のお祀りの特徴は、位牌を祀らないことです。
その代わりに亡くなった人の法名や俗名を記した過去帳を置きますが、これは礼拝の対象ではなく、ご本尊に礼拝することで浄土に往生した先祖や故人にお礼をする意味合いがあります。
おつとめのためのリン、経本、香炉、マッチ消、線香差については、経机の上に置きます。
そして南無阿弥陀仏の名号と正信偈、和讃六首、御文章を拝読して領解文を唱和することが、日常のおつとめのスタイルです。

真宗大谷派

真宗大谷派は阿弥陀如来の本願を信じ、ひたすら念仏を唱えることによって浄土に往生することができるという絶対的な他力本願の教えです。
親鸞上人から始まり、元々ひとつだった本願寺は徳川時代になってふたつに分かれました。
真宗大谷派はそのうち、東本願寺の方です。
ご本尊は阿弥陀如来であり経典は無量寿経、観無量寿経、阿弥陀経です。
真宗大谷派での仏壇の祀り方は、真ん中にご本尊である久遠実成の阿弥陀如来の後光のある絵像を奉安します。
そして右脇に帰命十方無碍光如来(十字名号)、左脇に南無不可思議光如来(九字名号)をかけます。
もしくは右脇に見直大師(親鸞上人)、左脇に蓮如上人をかける場合もあります。
真宗大谷派の仏壇の飾り方の特徴は、位牌を用いず先祖代々の法名を掛け軸にしたものがかけられるところです。
お灯明には輪灯を用い、報恩講などの法会では瓔珞を飾ります。
仏具は上机に御仏器、花瓶、香炉を置き、前机には三具足の生花を一対、その内側に鶴亀の燭台一対を蓮実を正面にして、真ん中に香炉を置くという独特の形式になっています。
香炉は上机の中央に置くものは丸型で金属の火舎香炉、前机の中央に置くものは陶器の土香炉です。
普段は打敷をかけず報恩講、お盆、お彼岸、修正会などといったような改まった機会に三角のものをかけます。
さらに和讃箱と御文箱に正信偈、三帖和讃、御文五帖をそろえておきます。
毎日のおつとめには経机にリン、経本、土香炉、マッチ消、線香差などの仏具を並べます。

浄土宗

浄土宗は平安時代末期の1175年、法然上人によって開かれた教えです。
経典は無量寿経、観無量寿経、阿弥陀経であり唱える念仏は南無阿弥陀仏です。
阿弥陀仏の本願を信じて南無阿弥陀仏という念仏を唱えることによって、すべての苦しみから救われ幸せな人生をまっとうして阿弥陀仏の浄土に生まれることができるという教義であり、ご本尊は阿弥陀如来です。
浄土宗の仏壇については上段の真ん中に阿弥陀如来の立像を祀り右側に観世音菩薩か善導大師、左側に勢至菩薩か円光大師(法然)の描かれた掛け軸を祀ります。
阿弥陀如来の立像は、木像である場合が多くなっています。
仏壇の天井部の両脇には、吊灯籠が一対下げられます。
真ん中のご本尊の真上には、宮殿やお厨子の前に垂らすものと同じ錦や金襴の布で作られた戸帳が下げられ、これは浄土宗に独特のものです。
位牌はご本尊や両大師よりも一段下がったところに、左右両側で分けて祀ります。
前机には外側に金蓮花一対、ろうそく立て一対、真ん中に香炉などの仏具を置き、錦や金襴で作ったきらびやかな四角形の打敷を用います。
同じ壇の両脇には置灯籠を一対、その内側に高杯を一対飾ります。
一番下の段には生花を飾る花立てが一対、真ん中には霊供膳が置かれます。
そして経机にリン、念珠、経本、香炉、ろうそく立て、マッチ消、線香差などといった仏具一式を置き、毎日のおつとめに使います。
おつとめに使う木魚や伏盤は、経机の右側に置きます。

融通念仏寺

融通念仏寺は、1117年に天台宗の僧侶だった聖応大師良忍が阿弥陀如来のお告げによって開いた教えであり、「大念仏宗」とも呼ばれています。
総本山は大念仏寺であり、ご本尊は阿弥陀如来を中心に十体の菩薩がまわりに描かれている十一尊天得如来です。
経典は華厳経と法華経を主に無量寿経、観無量寿経、阿弥陀経、浄土三部経も傍依としています。
教義は一人が念仏を唱えることで万人の念仏に通じ、念仏を唱えていけばお浄土に生まれることができるとするものです。
融通念仏寺の仏壇の祀り方は、真ん中にご本尊である十一尊天得如来尊像を祀り、右側に良忍上人、左側に法明上人の描かれた脇掛を祀ります。
仏壇の天井部の両脇には吊灯籠が一対、その内側には隅瓔珞が一対下げられます。
ご本尊の前には茶湯器と仏飯器、左右の脇掛の前にはそれぞれ仏飯器を供えます。
一段下の両脇に位牌を祀り、上机には外側から一対の花瓶、一対のろうそく立て、真ん中に香炉の五つの仏具を飾ります。
お彼岸やお盆、お正月などといった改まった日や法事を行うときには、打敷を用います。
さらに下の段には一対の高杯を飾り、右側に過去帳を置きます。
一番下の段には、供養膳を一式かニ式置きます。
普段のおつとめに使うリン、経本、お念珠、香炉、線香差、マッチ消、ろうそく消、香合などの仏具は経机の上にセットして、木魚は右脇に置きます。
おつとめでは南無阿弥陀靴を唱えるほか般若心経、観音経、座禅和讃などを読経します。

真言宗

真言宗は、弘法大師空海が遣唐使として唐の長安へ渡り、青龍寺の恵果から真言密教をすべて授かって帰国した後に開いた教えです。
東寺を基盤としているため、「東密」とも呼ばれます。
仏の真の言葉である「真言」を心と身体で体得して即身成仏を説くものであり、「煩悩即菩提」といい現実のこの世で仏になることを教えています。
ご本尊は大日如来であり経典は大日経、今後頂経、理趣経、般若心経です。
真言宗高野山派、古義真言宗、真言宗智山派、真言宗豊山派などといった多くの宗派もあります。
真言宗の仏壇の祀り方は真ん中に智拳印の大日如来を祀り右側に弘法大師、左側に不動明王の絵像をかけます。
真義真言宗では弘法大師と興教大師の掛け軸、もしくは光明曼荼羅をかけることもあります。
仏壇の天井部には外側に一対の吊灯籠、内側に一対の瓔珞、ご本尊の前の上机には茶湯器と霊供膳を並べます。
そしてひとつ下の段の真ん中に過去帳、その両脇に位牌、その外側に一対の高杯、もっとも外側に置灯籠を飾ります。
前机には外側から一対の金蓮華、ろうそく立て、真ん中に香炉の仏具を並べます。
法事やお彼岸、お盆、お正月などといった特別な日には、打敷を使います。
毎日のおつとめに使うリン、念珠、経本、香炉、ろうそく立て、マッチ消、花立て、ろうそく消しなどといった仏具は、仏壇の前に置いた経机の上に並べます。
木魚などは、右脇に置きます。
日常のおつとめでは南無大師遍照金剛の称名と般若心経を唱え、信仰によってお不動様や観音様の真言を唱えます。

天台宗

天台宗は、比叡山で修行をしていた伝教大師最澄が唐に渡り、天台大師から授かった教えと禅法、大乗菩薩戒、密教をもって開いた教えです。
ご本尊は阿弥陀如来であり経典は般若心経、法華経、大日経、浄土三部経です。
教義は人間であれば誰にでも仏性があり、それが開花するように努力を重ねていくことで誰でも仏になることができるというものです。
天台宗の仏壇の祀り方は、真ん中にご本尊である阿弥陀如来を祀ります。
天台宗では仏壇の祀り方として決まった様式がないため、阿弥陀如来が一般的ではありますが釈迦如来や薬師如来、観世音菩薩などといったように、それぞれの信仰の対象を祀ることになります。
ご本尊の向かって右側には天台大師、左側には伝教大師の脇掛を祀り、前には茶湯器を供えます。
仏壇の天井部の両脇は吊灯籠が一対、その内側に瓔珞が一対飾られます。
ご本尊の一段下には両脇に位牌を置き前机には金蓮華を一対、その内側にろうそく立てを一対、真ん中に香炉の五具足の仏具を置きます。
改まったときや法事のときには、打敷を使います。
もうひとつ下の段には過去帳を置いて供養膳を供え、一対の高杯と生花を生ける花立てが置かれます。
普段のおつとめに使う香炉、念珠、ろうそく消、マッチ入、線香差などの仏具は、仏壇の前に置く経机の上に並べます。
木魚については、経机の右脇に置きます。
日常のおつとめでは南無宗祖根本伝教大師福聚金剛と唱えることが正式であり、さらに般若心経を唱えます。

日蓮宗・法華宗

日蓮宗は、天台宗清澄寺で得度して比叡山に登り修行をした日蓮上人が、法華経にもとづいて末法の世に人々を救うべく開いた宗派です。
総本山は身延山久遠寺であり大本山は池上本門寺、誕生寺、清澄寺です。
法華宗は日蓮宗の宗派のひとつであり、本門流法華宗と陣門流法華宗があります。
ご本尊は大曼荼羅であり経典は法華経、無量寿経、観普賢経です。
教義は久遠実成の釈迦牟尼仏に向かって南無妙法蓮華経の題目を唱え、心に信じて身で実践することで救いが得られ、そこに理想の社会や仏の世界が実現するというものです。
日蓮宗や法華宗での仏壇の祀り方は最上段の中央に大曼荼羅か三宝尊を祀り、その前に宗祖日蓮上人像を祀ります。
中央に三宝尊を祀っている場合には向かって右側に大黒天、左側に鬼子母神を祀ります。
仏壇の天井部には両脇に吊灯籠が一対、その内側に瓔珞が一対下げられます。
位牌は宗祖の両脇に向かって右側に遠い先祖、左側に近い先祖のものを祀ります。
前机には外側から金蓮花一対、常灯明一対、真ん中に香炉の五具足の仏具を並べ、特別なときには打敷を用います。
さらに下の段の中央には過去帳を置きその前に線香立、その両脇に供物を供える一対の高杯、右外にろうそく立、左外に生花を飾る花立の仏具を置き、線香立の前に霊膳を供えます。
おつとめに使う経本は経机の上に置き、リンと木鉦は右脇下に置きます。
普段のおつとめでは初だしのごはんとお茶をあげて線香をたき、題目を唱えてご本尊の供養と先祖の菩提、家内安全などを祈ります。

臨済宗

臨済宗は中国禅宗五家のひとつであり、唐の臨済義玄を宗祖としていて、日本に臨済宗を開いた明庵栄西が開祖となっています。
しかしながら明庵栄西の系譜は早くに途絶えていて、現在の臨済宗は江戸中期に修行体系を完成した白隠慧鶴が再興したものです。
臨済宗の教えは、人間が生まれながらに誰でも備えている尊厳で純粋な人間性を自ら悟ることによって、仏とまったく違わない人間の尊さについて把握するところにあります。
また、禅宗ですから座禅がもっとも重視されます。
唱える言葉は「南無釈迦牟尼仏」であり、読まれる経典は「般若心経」や「大悲呪」、
「観音経」、「白隠禅師座禅和賛」、「宗門安心章」などとなっています。
ご本尊としては釈迦牟尼仏を祀る場合が多く、縁によっては薬師如来や観世音菩薩などを祀ることもあり、寺院では特定のものを決めていません。
仏壇や仏具の飾り方については、臨済宗では多くの分派があるものの、仏壇の中央には各派とも釈迦牟尼仏を祀ることで共通しています。
脇侍は各派に共通した祀り方として、向かって右に達磨大師の御影像を祀り、左には観世音菩薩を祀ります。
妙心寺派では右に無相大師の御影像、左には花園法皇の御影像を祀ります。
派によって違いがありますから、わからないときには菩提寺に相談しても良いでしょう。
臨済宗の仏壇は位牌やお供物を祀りやすいように段廻りが二段、三段造りになっています。
仏具では茶器湯、仏飯器、高月、香炉、蝋燭立て、花立てなどは基本的に分派を問わず共通しています。

曹洞宗

曹洞宗は中国の禅宗五家のひとつであり、日本では禅宗のひとつです。
日本で曹洞宗を開いた道元は鎌倉時代に中国へ渡り、如浄を師として曹洞禅を学びました。
帰国してから宇治に興聖寺を開き、越前に永平寺を建てて正伝の仏法の提唱、弟子の養成に努めています。
道元から四代目となる瑩山は大衆教化に努め、今では最大の寺院数を誇っている曹洞宗の素地をつくりました。
曹洞宗では道元を宗派の父、瑩山を母として、両祖として仰いでいます。
本山は吉祥山永平寺、諸嶽山総持寺の両大本山です。
曹洞宗の基本は座禅であり、ひたすら座禅をするということが重要です。
座禅の心と姿によって、即心是仏を説いています。
信仰実践の基本は端座、合掌、礼拝です。
静かな心で端座して合掌礼拝をすることによって、日々の生活を反省します。
そこで教えを生活の中で実践する活力が生まれ、その実践が心の安らぎにもつながっていくとされています。
唱える言葉は「南無釈迦牟尼仏」であり、読まれる経典は「正法眼蔵」や「修証義」、「般若心経」、「観音経」などです。
曹洞宗における仏壇や仏具の飾り方は、仏壇の中央に本尊の釈迦牟尼仏を祀り、向かって右に高祖承陽大師道元、左に太祖常済大師瑩山禅師を祀る一仏両祖の三尊形式です。
また右に達磨大師、左に道元禅師と瑩山禅師を祀る場合もあります。
先祖の位牌は左右に祀り、古い位牌は向かって右に、新しい位牌は左に祀ります。
地域や仏壇、仏具の大きさなどによって、祀り方が異なる場合もあります。

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